
タロットカードとの出会いは算命学以前。 大学1-2年生 のとき。
サークルの友だちから「この前占い行ってきたのー」と話を聞く機会があった。
へぇ。なんて聞いていたけれど、俄然興味が湧いて、友だちを鑑定してくれたのと同じ先生をドキドキしながら予約した。
開始時間の30分以上前に渋谷に着いて、深呼吸しながらお店周辺をうろうろして、何を伝えるか頭を整理して、また深呼吸した。
その日、生まれてはじめて「占い師さん」と対話をした。
カードのまとまりから1枚展開するごとに 静かにうなずいたり 微笑んだり ときに眉間に皺をよせながら読む先生は、驚くほど私の状況を描写した。
なんだかまだ訪れていない未来の描写も、そうなるんだろうな、と自ずと思えてしまう。
それから1年。
わたしは何がなんでも落としたい好きな人ができた。
好きになったら行動に移してしまう本分だけれど、本気だからこそ慎重になっていて「また先生にみてもらおう!」と予約をし、ふたたび40分前に着いた渋谷で35分うろうろした。
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こんな出会いがあって
いつの間にか Amazon で[タロット]と調べているわたし。
秘密のことをしているような感覚で カードと手引書を選んでカートに入れていく。
学校から帰ると ウェイト版とよばれる 最もオーソドックスなカードと書籍 (Leaning TAROT / Joan Bunning) が届いていて、ひとつひとつの意味合いに親しんだり レクチャーに沿って展開したり、いつの間にか夜になっていた。
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大学卒業後、会社員になり カードはめったに引かなくなってしまった。
件の好きな人が私から離れないという強い確信を得たこと。
人生まるごと
何がどうあってもいいや。
という塞翁が馬的な境地に包まれていたこと。
ウェイト版のカードは 4度の引越しを経てなお、本棚のお決まりの場所で、オーストリア旅行で買った モーツァルトチョコレートの美しい空き箱で休んでいる。
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つづく