辛 shin
陰の金の質
自然界にたとえると鉱物・小石
訴求力をもつ美なる石
辛さなければ凝固なし
凝固は規則と純をつくりだす
意味をもたされ 拝められ
そうでなくとも石ころでも
去年の辛金
自分の内面が「玉か・石か」研磨の結果が 明らかになる年でもありました。反抗と表現の年でもあり、表現とは芸術のみならず「想い・思考・感情」を外に漏らしていく全てのことです。表現には「自分で解釈する」という中間プロセスがあります。学問、レッスン、見聞、読書、他者の様子、社会情勢、「環境から与えられること」を五感六感で受け取り、自分のなかで反応し練っていく。するとそれを漏らしたくなる。食えば排泄するようにインがあればアウトがあります。そうやって自分の中で咀嚼し消化してきた「想い」を表現していった。しかし本人はその独自性に固執しているわけでもないし、状況によって対極の要素も取り入れることができる。環境の呼吸に合わせて、コロコロと想いや表現を変えていきました。
辛にとって癸卯年
2023年 辛金 (こうきん) のテーマは「精耕雨読。ゆっくり、いそげ。」です。
今年の干支は《癸卯》。癸は雨や露のことです。季節は卯、卯は春の盛りです。《卯》という時間には小さな芽が含まれていて、そこに恵みの雨が降っている様子。そんな癸卯という環境に対し、小さな金属・石である辛金の力量は「最弱」。年で周ってくる地球時間が雪解けを終え、ようやく発展してくるときなので「発芽を砂利でさまたげないように。」「芽を切らないでください。」とバランサーが辛金のピッチを min にしています。草刈り仕事はまだ先のようです。今年は深刻にならず楽しむ時なんだと。息を吸って 吐いて 美味しい飯食って 出して 散歩して。生きることに喜んでいく1年。
楽しみの原石
2023年の辛金は、精神はゆとりの中にあり、身体は忙しなく動いていきます。
この、ゆとり。裸足で海辺を歩くとき、風とこすれあう樹々の音を感じるとき.. 手つかずのものに触れたその時に、自分は浅くて上昇しきった調子に生きていたんだと気づく。今年は 海、山、畑、焚き火、日光浴 、風、赤ちゃん、子供 など、「意図的なものから離れた世界」に親しんでいきます。精神はくつろぎの中にあって、身体の方は何かと忙しいのです。自分のことも他人のお世話も、やることがたくさん!趣くままに現実のあれこれを手入れして、夜は気持ちのよい疲労の中で眠りにつきます。
辛金はもともと、道楽について「人知れず」楽しんでいく人だったりします。無臭なのに愛煙家だったり、行きつけの秘密の温泉があったり、梅干しをひっそり漬けていることを家族の誰ひとり知らないとか(笑)。しかも漬け方ひとつにもコダワリ.. 辛金ならではの美意識があるんですよね。だから辛金の人と語り合うことって発掘的でもあります。とつぜんサファイアの一角にぶち当たる時があるから。2023年のあなたは 楽しみの原石があちこちに散らばっていて、その時々で巡回し 手入れしていく感じなんですね。そして、その石の一つを 翌年以降もコツコツと磨いていきそうな予感もあります。
精耕雨読
休暇の前に、取引先から指摘がはいると「あー..」と旅先でも内容が横切ったりするものですが、2023年のあなたは「その日その日でベスト。出来たところがゴール。はい、沖縄に行くよ!」と「途中に未練なし」みたいな心情でやっていきます。物理的に途中は途中なんですけども、それを不足とも悔いとせず、他者の思惑も、過去も未来も、自分の「生」に影響を及ぼすことはない「ただ今」に入魂していく。やるときはやることに入魂。休むときは休むことに入魂。
精一杯生きるとは、マッスル的パワーや進んでいる実感のことでしょうか..?
ことしの辛金は 「同じことに没頭し続ける持久力」や「あせくせ働く力」が低めになっている代わりに、瞬間瞬間にかけていく力に凄まじいものがあるんです。仕事プライベート問わず、多くの楽しみを仕掛けて 忙しくしていきますから その時々で「誰かに呼ばれたところ」「自分の心が趣くところ」から軽快に手掛けていくんだと思います。あえて、計画の手綱を緩ませた方が動きやすいかもしれません。雨がふったら室内でできることを、晴れの日は外でできることを、身体が痛いときは痛いなりの。あなたの心も人々の呼ぶ声も含めて 自然が導く展開に動かされていくのです。
しごと
無理はしません。定刻で帰りますが、役割は果たしていきます。気が向いたら家でガーっとやることも。役割を果たすことはいつだって辛金にとって光。光があれば宝石は美しく煌めきます。また、この時期は洞察力が高くなっていて 物事の全体像がよく見えるようになります。それについて言葉や表現をまとめ皆んなに共有することはしますが、だからといって何か変えてやろうとか目標を達成しようとか「今に注力すること」以外には そんなに熱が上がらないようです。自分や誰かに計らうことなく「まんま」を、わかりやすく伝えていきます。文芸というよりはジャーナル。創作というよりは写実。2023年は辛金が水に気を漏らしていくのですがから、「自分の気を漏らす=伝える」というのは 文章、口述、視覚伝達 はもちろんのこと、命を漏らすこと「妊娠・出産 」「食事作り」「自然のなかに身をおく」ことも伝達です。アウトプット側に余計な力みや思惑がないのだし、表現を着飾らないから、受け手もスッと受け取りシェアできるのです。
かんけい
執着しないようです。この時期、無理をしないので気疲れが少なく 自分のキャパより多くの人と関わることもできるし、ひとりで気ままに過ごすこともできます。2023年は 割とおしゃべりさんになっている上、見たこと、感じていることを、加工せずに 直送で パッパッ と発していく感じなので、それがお相手によっては「冷たい」「軽薄」、あるいは「素直」に見えたりするんですね。でも本人はおかまいなし(笑) 人に嫌われるとか好かれるとか傷つけるとか傷つくとか、今年はそんなんどうでもいいのです。ただ思っているから言う。こんなことがあったから伝える。体感に素直になっていく1年。