甲 kou

陽のの質
自然界にたとえると松や杉のような樹木
すべての本能が正直にあらわれてくる
その場にいるだけで安泰の気をもらす
自己信頼があるからマイペース
おそくもなく はやくもない
それでいて周囲との調和を崩さない




去年の甲木

世界がガラッと変わり始めた2020年頃から甲木の皆さんは「動」の気風に駆り立てられ「わたしを遣ってくれ!」と資材として、自らを世に捧げる姿、または果敢に攻めていく姿がありました。
甲木が分け与える知恵というのは一朝一夕で得られたものではありません。天と地上から情報を受信し、自己のなかで 10年 20年 30年 と練り上げてきた年輪なんです。そんな貴重なものを 誰かの燃料、あるいはシェルターになることを祈って骨身を削りました。そして訪れた2022年の体験と創造の年。「こうか?それともこうか?.. ああ、そうか!」と自らの実体験から借り物ではない「生きた知恵」を得ていきました。創造の「創」は「刃物でつけられたキズ」のこと。この3年間を駆け抜けできたキズは甲木に実践でつかえるオリジナルの知恵をもたらしたのでした。


甲にとって癸卯年

2023年  甲木 (こうぼく)のテーマは「知の頂点と原点回帰」です。
今年の干支は《癸卯》。甲木にとっては癸(雨露)は、お母さんのことです。ほとんどの植物が命を発動させるには第一に水は欠かせません。産まれたばかりの新生児を母親の胸元におくと 本能によってお乳を目指します。母乳とはお母さんの血液のことで、命の水です。2023年の甲木は母気を受けて 本能的に滋養を吸収していきます。「もう既にそこにあること」から学んでいく。そして卯=春という季節を背景にピークを迎え「宇宙の中で我こそが王者!」と凄まじい充実感を感じていくのです。


将軍、帰還。

甲木は スピード感はありませんが 真っ直ぐで 純な人です。コレ!と決めたらそれに向かってゆっくり進み続けます。ある意味、頑固さみたいなものがあるから白からすぐに赤に移れない。白から赤に移るためには「赤!」という決意があってから、中間色のグラデーションを経てゆっくり赤に移行します。けれど、この3年は幹なり枝なりを急ピッチで赤にしなければならなかった。
それ、甲木にとって非常なことなんです。でもやり遂げました。筆者も甲木の攻めの姿に学び、生かされた一人です。多くの人が甲木によってみずみずしい知恵を得ることができました。ありがとうございます。2023年は ようやく落ち着きがでてきて、生傷つける体験よりも、坐して理論や思索から物事を捉えようとします。戦いの余韻を感じながら馬に揺られ、意識が「理解」というフェーズに入っていくのです。
去年も今年も同じく「学び」がキーワードになるのですが、去年は「未来」から学んできました。自分が動くことによって肌感覚として知るのです。今年は「過去」.. 上にも書きましたが「もう既にそこにあること」から学んでいきます。先代・書籍・文献・伝統、原理原則に生かされ、樹木が水を吸い上げるように、じっくりと時間をかけて味わっていくのです。


一と十は隣であった。

何かを習得しようと道を進んでピークに辿り着くと また初心に戻る、ということがあります。ここに鍵盤があって ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ と調子を上げていき「シ」の次は また「ド」に至ります。その「ド」は次の段階の最低です。つまり最高は最低と隣り合わせなのです。でもそのドは初心の頃のドとは同じようで高さが異なる。道を歩み始めたらその繰り返しなのですが、2023年の甲木は技術や学習、大きくいうと人生、においてひとつの極みに到達します。先生・基礎といった「初心」と最も遠い場所にきたと思う。知識や自説に自信がありますから、他の人に「教えてください!」と問われれば喜んで説明したくなりますし、都合が悪いことがおきると「理論理屈」によって武装するなんてことも。

この時期、唯我独尊的でありながら、同時に初心を意識せざるを得ないみたいなニュアンスも出てくる。「教えを守ると、破りたくなり、離れた。けれど教えをまた違う私として味わうことができる。」と原点回帰する方もいれば、極みにきて初めて基礎がみえる方もいたり、伝統や原理原則をひっくるめた上で「我流」として創始者になる方もいることでしょう。若い甲木であれば、目上の方と縁が深くなります。伝統やアカデミックな世界に飛び込んでいくのかもしれません。


しごと

給料や売り上げにこだわるよりも「学んで、思索し、教えていく」ときです。本業の神性を磨き上げることそっちのけでお金に執着をすると水が濁ります。(お金に携わることが本業なら、その限りではありません。そのための勉強をしてください。)
潤いに満ちている甲木の方は知が飽和を迎えそうで、カラカラな甲木にとっては「水っ~~!!!」と思う存分、知恵を吸収する時です。そして流します。「浸透 → 浄化・解毒 → 流す」という浄水器のような学習プロセスが甲木の方にはあります。「学んで、磨きをかけて、(次世代に)流していく。」うけとった白をより白くして流す。このように知恵でたくさんになったらば徐々に世間に流してほしいのです。そうすると私たちもあなたに磨かれた知恵を頂くことができますし、甲木にとっても入ってきた水(知)を調整することは自分が腐ることを防ぎます。2023年、現実を歩んでいくエネルギーは最高潮に達します。それを引き続き社会に活かすときです。集団を牽引する甲木もいるかもしれません。


かんけい

あなたに対して人々の 好き・嫌い の反応が別れやすいです。この時期、冷徹な面と、情け深い面がコントラストを強めて現れてくるからです。甲木の人って元来、周りを脅かしたり不愉快にさせることは少ないんです。するとしてもかなり意図的だったりする。自分を正直に貫きながら、環境とうまく調和していくところがある。他者はあなたに温もりを感じています。それがこの時期、理屈っぽくなる様を「冷たい」「突き放された」「追いつけない」と感じる人々も出てきて離れていくことも少なくありません。あなたの温もりを気に入っていた人ほどです。その傾向は去年からあったかもしれませんが。かたや、「勉強させていただきますっ!」「教えてください。」と寄ってくる方に対して、あなたはいくらでも世話をしてやりたいという気持ちになるでしょう。
さきほど「水は甲木にとってお母さん」と表現しましたが、文字通り、「お母さん」そして「子育て・教育」がテーマの年になる方も。