乙 itsu

陰の木の質
自然界にたとえると低くて柔らかな草花
根は頑固なのに緑はしなやか
柔軟であるから受けがうまい
踏まれても覆われても復活する
環境にうまく合わせる
自我の巧妙な実現

去年の乙木

2022年、あなたは船長となって荒い海を漂流してきました。柔らかで平穏を望む乙木が 波に呑まれ旅することによって、社会や何らかのシステムを 頂・底・引き・内部、さまざまな角度から目の当たりにしてきました。本来、乙木は「皆んな」に調子を合わせ一致団結してこそ、の人。歴史の授業を思い出してほしいのですが、昔、農民が一揆を起こすときの工夫に署名を放射状にしたものがありました。みんなでやっていくんだ！という結束固めと筆頭者をくらませるために。乙木、そういうところがある。必死にしがみついていたのに波に根こそぎもってかれた方もいれば、「波に入っちゃおう」と自分から飛び込んじゃった方もいる。自分が筆頭したもんだから、嵐の日も船長のあなたが「たった一人で解決し 道を決めていかなければならない」みたいな酷な時間もありました。そこで得た経験はあなた唯一のものになる。

乙にとって癸卯年

2023年  乙木 (いつぼく) のテーマは「不自由 ゆえに自由」です。
今年の干支は《癸卯》。癸とは、雨や雪、沢など、スケールの小さな水のことです。
乙木＝草花にとって水は命のためになくてはならないもの。与えられるもの。吸い上げて逃していくものです。去年も水浸しだったもんだから乙木は「もう結構、ごちそうさま。」と願い下げしたくなるでしょうが、逃げた先でも体験し、そこから学んでいきます。けれど去年のようなハラハラ感みたいなものは落ち着いてくるからご安心を。岸に漂着する方もいれば 渦の中心で「よう！」と久しぶりの仲間と群生する方もいる。経験によって経験を超えていく、そんな1年になりそうなんです。

雑草一揆はじまります。

2023年のあなたは観察力が増し増しになっています。去年のあれこれで物や社会を見る目が随分養われました。その分、2023年は心に余裕なんかも出てきます。余裕が出てくると、さらに落ち着いて対象を観察するようになります。航海の途中に出会った構造体を多面的に眺めてみて「ここから見ると○なんだけど、あちらの人にとっては△に見えるんだよなあ。」とか「これは古いけど、ここは活用していきたい。」のように、「いろいろ知ったからこそテコ入れしていきたい」という改革精神がむくむく湧いてきます。その対象は、社会に対する方もいれば自分自身という方もいる。旅の中で見た物を淡々と箇条書きにして「こんなことがありました。」と仲間やリーダー、あるいは自分自身に対し報告書を提出するのです。その上で「こう変えていきたいです」という企画書をつくっていく。

そのアイディアが斬新なことは乙木は重々承知。でも変えていかないと！と思った。組織や体制というのは崩されることを恐れます。2023年のあなたは冒険者である反面 リアリストにもなっていて、何かを崩していくにしても「まわりに受け入れられるように」「資源の範囲内で」「自分が太鼓判を押せる」といったような、画期的かつ安全性を保った、絶妙な企画を打ち出していくのです。ボツになってもヘコたれません。雑草魂の発動です。周りも自分も受け入れられるような企画をじっくり忍耐強く練っていくのです。

伝えることで自分を生かす。

この時期は特に、あなたは「自分の想い」に素直になりそれを表現していく、ということを意識してみてください。ノートやブログの中でもいいし、家族や同僚に漏らしていくのもいい。集団であればトップだとかリーダーのような核を担う方に間接的に伝わっていく感じに仕立てるといいな。あるいは芸術作品に込めてもいい。上の話につなげていくと、企画書の中には「現実のあれこれ」に加え「所感」を添えてみる。
というのは、乙木が「私は…と思っているんだよね」という感想は、けっこう独りよがりではあるんだけれども.. それでいて「あらゆる人の心に行き届きやすい」という特性があるのです。あなたが表明することによって救われる人はかなり多い。学びが溜まった分、アウトプットをしていくと「わたしも同じこと思ってた。」「胸打たれた。」と2023年以降、同調の輪が拡がっていきそうな感じもある。そうしたら一揆の署名を放射状にできるでしょう。その準備もかねて。

しごと

「自由に冒険したい」×「家族や立場、現実を無視できない」この相反する想いが葛藤を起こすかもしれません。あるいは 家族・立場・資源・第2のプランを確保した上でチャレンジをしていこうと思います。2023年のあなたは、大人です。大人の事情を考慮して動きまわってください。ロマンと現実の接点のなかで、あらゆるところへフットワーク軽く足をのばしていきます。プライベートでは旅行が増えて、旅から仕事のインスピレーションが降ってくるなんてことも。不自由(拘束)のなかで自由をし、それこそ自由だった、そう気づく。

さて、乙木の人は、(男性であれ) 女性的な柔らかな物の見方をします。歯ブラシの毛が極細でソフトだったら、凹凸に合わせて形をひろうことができるでしょう。そんな感じで粗くハードな人たちがすくえないようなニュアンスを無意識に捉えているようなところがある。それでいて更に今年は目がいろんなところに行き届いて、「ふつうの人が見えていない裏側を眺める」ことになります。裏と表、全体像、同時にみて 冷静にじっくりと考えます。去年今年であなたが「知った」「見た」こと、知らない人は多いです。あなたの仕事に関わる人たちに是非教えてあげてほしいのです。それが上にも書いた「報告書」のことです。

かんけい

親、目上の方、「お偉いさん」との交流が増えそうです。この時期あなたは心の中で人を疑ってみたり否定から入る傾向にあります。大きな物事をハンコひとつで左右する方って、権限だけは持っているのにセンスが追いついていない人、日本には多いですよね。
(このじじい、考え方 古いな～。でもこの人の許可がないとな～。) と思いつつ 乙木お得意の「柔らかな立ち回り・根回し・可愛らしさ」で許可証をゲットしていくのです。こういう「忍耐」も 2023年のキーワードになってきます。
家族やパートナーをもっている方。彼らが動きたさの足枷になりそうでもどかしさがありますが、選択肢の限定が却って道を造形していくことも。