壬 jin

陽の水の質
自然界でたとえると海や大河
宙と宇がとけこむ心は
自然にゆだねて無理がない
天によって吸い 地によって吐き
命を生んで 育み 送る
留まることだけを知らない

去年の壬水

自分の肉体がここにあって、家族・自宅・仕事・知人・散歩道・畑 …… 自分の意識が及ぶ領分、唯意識を「自分の世界」だとするなら、その世界の中で「自己完結」をしていました。快適なホテルの一室のように全てが揃っていて、ただ豊かであり、新しい要素や意見をあえて他所から持ってくる必要は特段なかったのです。必要はないのですが、精神的にはかなり「あっちからやってくる」ということがありました。静かにしていると脈絡もない閃き(ひらめき)が降ってきやすいのが去年のこと。閃きを閃きのまま味わう方。「知っている・持っている」の範囲内でそこそこに実現した方。新しい世界を取り入れる必要があるため実行に及ばず温存という方。それぞれ。

壬にとって癸卯年

2023年  壬水 (じんすい) のテーマは「わたし次第から、まわり次第」です。
今年の干支は《癸卯》。癸とは雨や霧、沢などスケールの小さな水のことであり、海や大河を象徴するあなたにとっては分身であり弟分です。海から蒸発して宙を漂う小さな水は変幻自在で、陸上のあらゆる場所を通過し経験しますから、この癸水という気は「あなたが普段触れることのない陸上の情報」をもたらします。上のたとえを借りると「領分の外」.. あなたの世界観に新メンバーの出入りが増すのです。 2023年の壬水は「皆んなで」がキーワードになっていきます。人間関係がゆっくり拡がっていき、今までの自分だったら関わらないタイプとも関わってく、敵・味方の感覚が溶けていくピースフルな１年。

着用サイン、オフ。

あなたの象徴、海や運河は、生命の妊娠・出産といったバイオリズム・食糧の宝庫・交通交易・信仰・遊び・癒し.. ..  地球にとっては血液であり、人の暮らしを活性化させるはたらきがあります。一方、「きょうは船を出せそうにもない」と様子を水面から観測しやすく、荒れた場合、情けはありません。「豊かにするのも破壊するのも自分次第 」。
リーダーという柄ではないんだけれど、壬水の在り方によって、人やプロジェクトがいかようにも、ふりまわ… 失礼、「消長していく」という強い影響力をもっているんです。
そんな壬水さんが 2023年「影響を受ける側」になります。新しいメンバーや情報を迎える中で 謙虚さや受け身のニュアンスがでてくる。飛行機が離陸して安定期に入るとシートベルト着用サインが消えて機内食。食べ終わって、地球の歩き方をパラパラしてたら、なんだか眠くなってきた。これまで頑張ってきたからしばらくは2021年頃から徐々に省エネモードへ。今年は飛行エネルギーを最小限に落として維持していく年でもあります。
あなたとしては去年から想いやアイディアは膨らみやすい状態になっていて、すんごく「創りたさ」があるんです。けれど、あなたが実現していきたいことは現実離れしてるところもチラホラあって、個人ではどうしても資源不足という現実があるかもしれません。資源とは「時間・体力・能力・お金」現実を動かしていくアレコレのことです。壬水って「何かを１から創りたいなー」「古いものを壊したいなー」と創造性を発揮していく時は「ひとりでも！今すぐに！」とゴォーーーっとやってく。そこに待った や 情けはないのです。

ふるいにかけなさ。

商売など、プロジェクトが現実に絡むものであるほど、今年は誰かと繋がっていくことになるでしょう。なにしろ今年の壬水の発想や行動は、お金儲け・損得とは別次元の、かなり哲学性や霊性を帯びたものだったりするんです。教祖的とでもいおうか。あなたの無形の部分に魅力を感じてやってくる人も多いのです。
他者に裁量を委ねることはもどかしいかもしれないし、委ねたからには「不本意なことも呑み込んでいく」なんてこともしなきゃならない。今年のあなたは、好き嫌い・損得・善悪、そういう分別に対し、どうでもいいやと、コダワリがかなり薄れている状態。人を選ぶということもしない。アイディアは出すから、あとはイイ感じにやっちゃって、と流れに身をまかせてる。そうやって明け渡す時に、肝になってくるのは「あなた側の情報をしっかり伝えていく」こと。想いやコンセプト。わたしはこれが苦手です。これならできます。資源はこの程度です。と文章でもイラストでもいいので真っ直ぐに表していくことです。

しごと

人や時勢に合わせて適宜やっていこうと思います。あなたに古民家カフェを立ち上げたいという夢があるとして、現地に向かうと物件は想像以上にボロ。でも担当さんがすべり止めで用意しておいた昭和期に建てられた物件、資源も考えると「これもあり」と思う。そうやって、その場・その場「環境に合わせて方針変更」もしていく。2023年からのあなたは、深刻ではないというか、新規プロジェクトにしたって「稼ぐぞっ」という力みがなくて、道楽というかイージーにやっていきたい。だから今年のあなたから出てくるアイディアというはけっこう玉虫色なんです。気張って明確なターゲットがあるのでなしに「見方によっては..」と受け手に余地がある感じ。今、立ち上げてきたものが平穏な状態にあるのならそれを維持していくことに注力を。組織(家庭も含みます)にいる壬水さん。汗水たらしてやっていく、というよりかは企画やメンターといった、あなたの閃きや知恵、優しさを皆とシェアできる精神性を活かした働き方はこの時期うってつけです。一人でやっていく方も、この時期に他者の協力を得ていきたいと思う。クラウドファンディングなど。

かんけい

窓口はオープンで選り好みをしません。好き嫌いの境界線が溶けます。
嫌だとは内心思うこともありますが、その違和感にすら「どうでもいい」感があります。
あれ？変だぞ。と思ったとしても、どういったわけか相手を優先させてしまいます。だから周りからは「いい人だなあ」「この人、本気かな？」なんて思われる。
壬水の人は、上にも書きましたが本質的には「影響を与えていく側」の人間で、雨の人や火の人のように、心グラグラ。ちょっとの変化が大きく精神に影響を及ぼす、なんてことはそんなにないのです。それがカメレオンのように周りの色に左右されてしまう時期でして、あなたの心の色は 家族・友人・国家、の雰囲気次第というところがあります。楽しい人といれば楽しいし、落ち込んでいる人といると落ち込んじゃう。都会に引っ越せば都会人らしくなるし、田舎に引っ越せば田舎者になりきる。でもその時々で、楽しみ一色、苦しみ一色、になりきって、分別を超越していく、相対がなければ苦も楽一緒だという年なのです。