戊 bo

陽のの質
自然界にたとえると神の場所 山岳
その場にあって 動かない
生命を引きつけ 遊ばせる
こころざし高いが 裾野を知る
すべての季節を内包し
天(神)と地(人) を 結ぶもの





去年の戊土

もともと人を魅了する雰囲気と来るもの拒まずの器をもっている戊土が 「自分の魅力を改めて試してみたい」という気持ちになったのが2022年でした。山に春の予感がぶわぁっと吹いてきて「煌めく残雪!芽吹く緑!自分ってこんなステキな山だったんだ..」と心が新たな気持ちになり 社会と人々に「ちょ、みて!!登山道開いてるで!」と能動的にはたらきかけていく姿がありました。その行動は、スーツをグレードアップしてみたり、美容系YouTubeを身漁ってデパコスで買い回ってみたり、気になるワークショップに参加してみたり、自分の魅力を爆上げするために「自己投資らしい」自己投資をしてきました。あなたは自分と他者(社会でもある) のために 素直に学び・稼ぎ・遣っていきます。


戊にとって癸卯年

2023年  戊土 (ぼど) のテーマは「時々刻々。変化をうながされ準備をする心」です。
海から蒸発した水は、山にのぼり冷やされ雲となり、重みをもち雨になりました。
今年の干支は《癸卯》。《癸》は雨や霧、沢など、スケールの小さな水です。戊=山 にとって雨は受け止めて磨いていく存在です。今年の戊土さんは「今のままではいられない」気持ちが高まっていき、でもそれを畏れる自分もいて、何かできることはなかろうか?ともがいた結果、「備える」「家族を作っちゃう」「日常に向き合う」という動きがでてくるのです。恋人に振られたときに「とりあえず洗濯物まわしている自分」がいたりしませんか? なんかそんな感じで、日々の仕事、降ってきた雨を滴滴と磨き上げるように 今やれる目の前のことを手入れしていく、でもそうすることによって落ち着く、そういう1年になりそうなんです。


自分史の戦前

戊土の人って、そう簡単には動じません。いや、人間が捉えるには動いていないようにみえる。ゾウとネズミだと生きる時間感覚が違うでしょう。相対するとネズミは早送りに見えるし、ゾウはだいぶスローに見える。戊土の人は変化のスパンや規模が他とだいぶ異なるのです。マグマや重すぎる雪を抱えている戊土もいますが、基本的に情緒はコロコロ変わりません。泰然としている方が多いのです。自分を通り過ぎていく感情にたいしても「あー・・・悲しい。仕方がないことだなあ。」とじっくり静観していたりします。
でも大きな動きをみせるときは「自分史上」とキャッチコピーがつくような自分史に残ることをしていく。土砂崩れ・噴火・火砕流、のように居合わせたものにも影響を与え、一部を一掃することすらある。そんな戊土さんが大なり小なり、そろそろ動かざるを得なさそうなんですよ。いまの環境が自分にはもはやフィットしなくなったことに気づく戊土がチラホラ現れます。


雨下のなかで羽化

10代にさしかかると 男女ともに心と身体に変化があらわれましたね。声がかわったり 毛がはえたりさ。「うわーーーーっ!」と毛をひっこぬく人もいるんだけど、2023年の戊土は ティーンのように自然の流れによって変容していく心があり ドキドキ、寂しさ、迷い という想いを少しずつ受け入れていく。そうしてサイズや価値観が合わなくなった 服とかライフスタイル をちょっとずつ手放していき 収納に空きをつくって、またちょっとずつ買い足してカスタマイズしてく。そうやって来たる「動」に対し、備蓄し、しっかりと地を固めていく感じなんですね。

この備蓄とは お金や物品もそうですし、知識、愛情、育成、我慢、情報、あらゆる習慣 もそうです。その根源は「自分に小さく集めて愛したい」というささやかな陰の引力エネルギー。ボロボロになって疲れ果てても安心して帰ってこれる場所=「家族」もこのエネルギーの舞台。これまで外へ外へ、仕事に邁進してきた方も 「家族」だとか「日常」に気が向くようになるでしょう。


しごと

先輩が新人に「この会社で何をしたい?」と聞いたとします。新人は「社長になって、システムの総入れ替えをしたい。」みたいな先輩の想定の2000メートル上のことをサラッと言う、真剣に。戊土ってそんな感じで、志の規模が最初からデカい。山は天と地をつなぐ神の場所。普通人が見えない景色が最初から見えていて、かつ地に足がついているもんだから社長とその先までのロードマップがざっくりと本人には見えている。去年のあなたは天を仰いでいて内よりも外に向かいダイナミックに仕事をしていました。2023年のあなたの意識はより天空..夢とか志 に向かいますが、同時に地を強化しようとします。「ちゃんと立たねば!」と思う。不安・迷いからトランクをあけて備品を見直します。不安はストックの原動力です。本線に向かうまでの横丁にはマーケットが並んでいて、戊土はそこで細々としたものを買い足し、不必要になったものを下ろします。なぜか人恋しくなって乗組員を追加するかもしれません。本線では走ることに集中したいと思っているので、今できることをコツコツやろうとします。それは人に気づかれることもない、褒められることもない、陰ながらの日々の積み重ねのことです。


かんけい

2023年のあなたは内面には 迷い・寂しさ があるのですが、外面はいつも以上に温かく明るく振る舞うようになり、本来持っている温度感がまわりにもはっきりと伝わっていきます。あなたってちょっと、その、自分は「好きなんだ」と自覚している愛情がまわりに伝わりづらいという面がある。今年は特に異性からモテますし、恋に落ちやすくなる。これまで他者と暮らすことに関心がなかった方も「家族をつくってみたい」という想いがでてくる。
でも誰でもいいってわけじゃない。去年は人間関係の窓口がフルオープンだったので メイン・モブ 問わず 人の出入りが激しかったのですが、今年はだいぶ縮小されます。雨が降るからです。雨が降っている山は、ほとんどの人が入山をしないし下山するでしょう。それでも登るマニアもいる。そんなふるいにかけて残った身近な人々を大切にしようと思う。パートナーや家族はもちろんそうですし、同僚や友人、取引先もそうです。自分が正直に振る舞ったことで離れた人のことは今までもこれからも気にしなくていいのです。