kou/kanoe
基本性格
自然界にたとえると岩石・鉄鋼石
変化と機能性を求める心
粗さ 硬さ 重さ は 鍛錬と研磨で
清く澄み切った機能美となる
終わるものを始末し 始まるものを生かす
世に変化をもたらす動の力
季節観
自然界にあっては庚は岩石や鉄鉱石。加工すれば道具や武器として人間生活に役立つ。火に出会い、厳しく錬磨されるプロセスを経て一人前の「道具」となる。辰という春の土用は 火の季節(巳・午・未) の一歩前で、岩石は「粗のまま」の姿で眠っている。幼名くらいはあるだろうが、まだ用途がない。加工されれば「出刃包丁」と方向性がつけられてしまうだろう。何者でもなければどんな可能性だって秘めている。何になれと求められることもなく、自分が何かになるという能動もなく、ただ、柔らかくてほの暖かい土と土中の根を弄んでいる春の岩石。
❦ 占 ❦
弱さの強さを知る
息子に どうしてそんなに可愛いのか と尋ねてみると「かか、ために。」と言う。どうして赤ちゃんや子どもが可愛いのかというと、母のためであり、つまり「自分のため」に。自分を保護する者たちの関心を可愛さによって引きつける。ヒドイおもいをしたけれど、また会いたい。親はそう思う。そうして命が今日も明日もつづいていく。この魅力は最弱の者が生存するための自然界の設計だ。
ことしはあなたを中心点に、一種の「引きつける力」が強くなり、そこに「動きのある場」が生まれる。大人になるとその人に好かれるために、化粧をしたり、親切を寄せてみたり、さまざまな能動的なアクションをとるが、ことしはあえて何者になろうとしなくてもいいのかもしれない。周囲があなたに魅力を感じ 勝手に集まって 勝手に環境が動いていく。それは、2022年頃からあなたが産み出したもの … 感性、子ども・美しい・美味しい・おもしろい と思ったものを世間に表してきた賜物なのかもしれない。昨年までそれが独り言であった場合でも、今年は多くの人があなたに関心を寄せ、見てもらえている実感・対話が始まるのだと思う。
あなたがただそこにいるというだけで、コトが左にも右にも運んだり ラッキーだな と思うことが増えるときで、大半の庚にとって2024年はイージーに感じることだろう。この楽の中に苦しみがあるとするなら、庚という干が本来もつ「動」という質に由来する。動とは「自分の力で物事の状態を変化させる」こと。確かに、ことしは自分の力で物事を (時にダイナミックに) 変化させる時だが、それは自分の手で目の前の薪を割るイメージではない。ちょうど寒風が吹き、オイルたっぷりの松の枝が一気に落下し、松で焚き火をはじめた旅人から君も一緒にあたるよう誘われるようなイメージだ。要は、自分が何もしていないのに環境が良くも悪くも動いていく。自分の力技で動かすよりも身を任せることにより環境が動いていく。素直で弱くあることの強さを知るだろう。これはあなたの これまでの 行動、知性、継続、表現 がある種の満期を迎え、一体となって魅力を放っているのだ。だからもし「ラッキーだな」「愛されているな」と思うことがあるのならあなたやご先祖さまが積み重ねたもの。安心して今年というハンモックにくつろいでいいのだ。
今、ここ
ことしのあなたは足下が最も明るい。足下とは「ここ」であり「今」でもある。過去や未来に想いを馳せることもない。今が一番大切で、今が一番満たされてたらそれでいいという赤ちゃんのような感覚。赤ちゃんに昨日も明日もない。今ビスケットを食べたいから食べたい!今イヤな気持ちだからイヤー!その通りで、ことしは今おかれている環境で100%の今を重ねていくことが肝なのだ。やりたいことが湧き出たら、(大人の倫理をもって)我慢することなく即人生を楽しむ態度がある。
与えられるだけでない、自分も与えようとする。庚は本来の質として「好き」という気持ちが率直に態度に現れてくる人だから、愛している人・もの が大変わかりやすい。今年は「好きな人・もの」に思うままに働きかけてしまう。そこには理性や策略がない。それが人であれお金であれ「自分の方に多く集めよう」という本能が強くはたらいて、好きな人の気持ちどころか、より多くの人の気持ちや目も自分に向いてほしいと望む。愛想も増えるだろうし、好きな人が好きであろうものをプレゼントしたり、ご機嫌がだめなら不機嫌になって気を引こうとするかもしれない。なんでも自分に引きつけたい。自己中心とした引力が強い年。この時期「無視される」「埋もれてしまう」ことが苦しく感じるだろう。《鶏口牛後》= 大きな集団の末端でいるより小さな集団の長であるほうがよい、という熟語がある。自分がその集団で一目置かれず苦しむのであれば、もっと優しい世界の一員になってみるのはどうだろう。
仕事・社会活動
あまりせかせか動くような年ではない。だからといって遅くもならない。社会においても集めるという力が強くはたらく。もしあなたが 自営やフリーランサー、営業職、接客業、など「お客さま」と直に関わる立場であれば、人気を集める。
人がものやサービスを購入するときは、合理でなく最終的に感情で決めていることがほとんどだ。あなたはお客さまの感情を、表現や存在によって揺さぶる。小難しいテクニックよりも笑顔の方がよい。自分が自然と笑顔になっている場所にいってみよう。ユーモアを交えてみよう。常連やパトロンができるかもしれない。
お金の出入りが大きそうだ。ドッと入ってきてドッと出ていくイメージ。金一封や贈答品を受け取る機会がありそうだし、買いものでは後先考えることもなく「今欲しいもの」をポンと購入する傾向にある。フラッと立ち寄ったお店にて胸を射抜く雰囲気のお皿が売られていて、その場で買うノリがある。オンラインでの最低価格はいくらだろうか、とか、食器棚の他のラインナップに調和するだろうかとかアレコレ考えずに「好き」だから買う。浪費、とも言えそうだが 不思議なもので 純粋なバイブスで出費すると、まさかのルートで±0のお金がまた入ってきたりするものだ。お金を、家族や専門家が管理することになったり、株式投資をトレーダーに委託したり、自分で財務をしていたものが税理士を雇うということもある。
人との関わり
平たくいうと、人気者になるとき。普段よりモテるが、色気によるモテではなくて 放っておけない感じで、人類に愛されいくイメージ。先述のとおり、感情、とくに「好き」という気持ちを隠すことができず 人を率直に愛してゆく。あなたがいる場所では 人と人との縁結びがおきたり、あなたをめぐって愛に関する争いが他者の間で勃発したりする。自己本位になっている時期で、無自覚に周りのものを振り回していくが 手厳しい攻撃はあなたを前に力を持たない。それはあなた側に無抵抗の意識があるために、相手との争いがそもそも起こり難いのだ。ぬかに釘というか、あなたを前にして説得しよう理解してもらおうという発想が消沈するのだ。「本人楽しそうだし、まあいいか。」と。