いま承っているクライアントの命式には禄存星が3つある。
禄存星が陽占の半分以上を占めているのだから、陽占読解の肝は禄存星。
お金に関して
陰・土性の《司禄星》がコツコツ集めてゆく蓄財と呼ばれるのに対し
陽・土性の《禄存星》は回転財と呼ばれている。どっと入ってきてどっと出ていく感覚だ。
瞬間的には常にフレッシュなお金が手元にある。
手放したら入ってくると知っている。
生まれてから今まで1が10回積み重なったらそれは10! の世界観で生きてきた司禄車騎思考の私が 「お金を引きつけます」だとか文字をなぞって言うことは 、鑑定文としては正しいが、血が滲まない。
教科書を読み込めば理屈としては、回転財はわかる。現場での回転財の感覚をもっと知りたい。回転財の星を生まれながらに持っている人の言葉や生き様を知りたいと思う。
ということで所謂「お金持ち」の命式をチェックすることから始める。
せめてお金持ちに理屈上憑依してからクライアントに伝えたいと思う。
シンプルに、お金持ちリストから辿ったら ほいほいと禄存所有者にたどり着けるだろうか?願わくば禄存星が2つ以上ある例にたどり着ければ良い。(こんな発想だから 司禄車騎み 止まりなんである)
THE RICHEST PEOPLE IN THE WORLD 2021
<十大主星を添えて♪
凡例 【E】東方の星【S】南方の星【C】中央の星【W】西方の星【N】北方の星
1. ジェフ・ベゾス Jeff Bezos
純資産: 1,770億ドル
齢: 57
国: アメリカ
源: アマゾン / Amazon
業: テクノロジー
【E】司禄【S】司禄【C】調舒【W】龍高【N】調舒
司禄×司禄 は、表には禄存1個のような性情が現れてくる
2. イーロン・マスク Elon Musk
純資産: 1,510億ドル
齢: 49
国: アメリカ
源: テスラ / Tesla, SpaceX
業: 自動車
【E】龍高【S】貫索【C】調舒【W】車騎【N】牽牛
3. ベルナール・アルノー &ファミリー Bernard Arnault & family
純資産: 1,500億ドル
齢: 72
国: フランス
源: モエ・ヘネシー ルイ・ヴィトン / LVMH
業: ファッション・小売
【E】司禄【S】鳳閣【C】貫索【W】調舒【N】司禄
司禄×司禄
4. ビル・ゲイツ Bill Gates
純資産: 1,240億ドル
齢: 65
国: アメリカ
源: マイクロソフト / Microsoft
業: テクノロジー
【E】牽牛【S】禄存【C】車騎【W】車騎【N】調舒
5. マーク・ザッカーバーグ Mark Zuckerberg
純資産: 970億ドル
齢: 36
国: アメリカ
源: フェイスブック / Facebook
業: テクノロジー
【E】司禄【S】石門【C】鳳閣【W】貫索【N】車騎
6. ウォーレン・バフェット Warren Buffett
純資産: 960億ドル
齢: 90
国: アメリカ
源: バークシャー・ハサウェイ / Berkshire Hathaway
業: 金融投資
【E】司禄【S】鳳閣【C】龍高【W】石門【N】龍高
7. ラリー・エリソン Larry Ellison
純資産: 930億ドル
齢: 76
国: アメリカ
源: オラクル / software
業: テクノロジー
【E】牽牛【S】石門【C】牽牛【W】貫索【N】調舒
8. ラリー・ペイジ Larry Page
純資産: 915億ドル
齢: 48
国: アメリカ
源: グーグル / Google
業: テクノロジー
【E】龍高【S】禄存【C】禄存【W】貫索【N】鳳閣
9. セルゲイ・ブリン Sergey Brin
純資産: 890億ドル
齢: 47
国: アメリカ
源: グーグル / Google
業: テクノロジー
【E】貫索【S】調舒【C】司禄【W】貫索【N】禄存
10. ムケーシュ・アンバーニー Mukesh Ambani
純資産: 845億ドル
齢: 63
国: インド
源: リライアンス・インダストリーズ / RIL
業: 多角
【E】貫索【S】司禄【C】玉堂【W】貫索【N】車騎
各十大主星を所有している人数(対 10人)
貫索 7 石門 3 鳳閣 4 調舒 6 禄存 3 司禄 6 車騎 4 牽牛 3 龍高 4 玉堂 1
結果、禄存星所有者は10人中3人。
リッチだからといって 禄存星所有者続出!というわけではなかった。
(いまここでは他の着眼点はナシで、シンプルに十大主星のみで比較している)
自分はこんなもの
禄存星を持っていない人たちは、なぜリッチになったのだろう?
仮説を立ててみる。
1. 家系など身近な人々がお金持ち
2. 偏った才能
3. 創設者の坐気は禄存星
批評家のマーク・フィッシャーはこんなこと言っている。
自分が金持ちになると考えもしなければ 信じもしないから 多くの人間は貧しいままなのだ
自分は 自己が想定する枠の中に生きている。自分はこんなもの、と思っていればこんなものの範囲内で生きる。
「わたしはお金持ち」と唱えるアファメーションだって、芯から自分と著者を 信じているほど実現しそうだ。
ギークのように偏った才能・好み・熱烈な探究心による 偏った時間とお金の投資をしていれば、その部分は突出する。そうすると彼の周りには同じく突出した人たちや それを支援したい人々が集まってくる。マイクロソフト創設者のビルゲイツ、マッキントッシュ創設者のスティーブ・ジョブスも学生時代はコンピューターに熱狂した。この長者番付にならんでいるテック系の人々は元ギークだったのだろう。
ギーク(geek): 特定のニッチな分野への好奇心やライフスタイルを持っていて、その分野に至ってはエキスパート。テクノロジー関連の新商品が発売されたらそれをすぐに購入して試してみる。莫大な知識があるがゆえに、もったいぶったような口調で長話が続くことも。関心があるのは、ゲーム、映画、収集、ガジェットなどテック系、コンピューター、コードを書くこと、ハッキング、テクノ音楽、スクリーン印刷などにわたる。ザックにはMacが入っている。
「自分はこんなもの」という上限設定が、ある部分に於いては突出しすぎて、
(たとえば「できて普通」の一線が非ギーク想定よりも高すぎたり。でも本人には、それが普通。)
別分野であっても突出した者同士の人間の交流によって、やがて部分以外の上限すら引っ張り上げられるのではなかろうか。もちろん経済観念のスケールも拡がる。
で、懐が豊かになれば、さらに才能を育むことができる。
生まれながらに裕福な出であれば、経済観念の「こんなもの枠」は裕福設定だ。彼らは生まれながらにその感覚を肌で知っている。
東洋における気の概念のひとつに坐気というものがある。役目・立場・地位 がもっている気のことだ。
創設者の坐気は中央で、男性的だと禄存星。女性的だと司禄星。
創設者になれば、時間をかけて禄存的なムードがついてくる。
禄存星・空・引力
算命学引力が発生する条件で、わたしが知っているものはこの3つ。
- 天冲殺現象 (宿命にあったり、後天的に回ってきたりする空間が虚の時間帯)
- 義・智・仁・礼 を フル稼働させて 信(引力)をつくる
- 欲望を叶える / 目の前にあることを一生懸命やる
スケールとしては1から降順だと思っている。
けれどメカニズムは全て同じではない。
1と3は お天気に例えると低気圧のイメージ。虚の点は引力をもちガーっと空気が流れ込んでくる。
影響は (一次的には) 個人的な範囲に留まる。
2 は高気圧のイメージ。義・智・仁・礼 が揃い上昇気流が発生する。
こうなると魅力が溢れるので、他者は彼を信頼し 人やお金、物などが集まってくる。
まずは自分から人に与え、そして人から頂く。
禄存星の引力メカニズムは2に該当するが 禄存星 = 本物の信 とはならない。
生まれながらに禄存星をお持ちの人は、天性に「引きつけたい」という本能を強くもっている。そのため、まずは自分から人を信じ与えようとする。だから愛情奉仕という意味合いがある。
さて、真の魅力(信) をつくるには
義 : 積極的に行動する。約束を守る。正しさを貫く。
智: 知的好奇心のままに探求する。
仁: 人を慈しむ。
礼: 適切な言葉遣い。あいさつ。礼儀礼節。
を発揮して初めて生まれる。
禄存星は、戊土 が 甲木 を通過した例でみるように「同じ陰陽同士の相剋関係」から生まれた星。
木 剋 土、と自分(甲)が (戊)を剋して生まれる。
相剋関係は「有意識」である。疲れる。楽ではない。
禄存星を最も生かすにはまんべんない「有意識=努力」なのではないか。ちょっと大変だし、時間がかかる、土は時間がかかる。
命式に金性(義)がなくても、クライアントの約束を守る。やろうと思うのではなく「やる」。
命式に水性(智)がなくても、知りたいという欲求の調査にいく。読書をする。文献を漁る。人に質問をする。
命式に木性(仁)がなくても、日頃から友に与え 与えられ 交流をし、自分を守る。
命式に火性(礼)がなくても、時 場所 状況 に応じて適切な言葉遣いを心がける。感謝・知っていることを伝える。
そして命式に土性(信)がなくても、上のプロセスで真の魅力・引力は発生する。
長者番付ベスト10の創業者 7割が「禄存星」をもっていなかったのは、突き抜けから始まったり 長い間努力をしてきたからだ。
金が水を生み、水が木を育み、木が火を起こし、燃焼し やがて土になる。
その土は 金・水・木・火 のエッセンスを含んでいる。
こうしたら禄存星は鬼に金棒なんじゃないかな。
すごいね、土!
土は全てを含んでいる。
下書きにはまだ文章が続いていて、低気圧の引力について綴っているのだけど、この記事がギークになって、読者が退屈してしまいそうなので次回にします。