飛蚊症の検査にいってきましたレポ

自分の生まれもった物の見え方が、実は他の人にとってはそうでなかった。ということを20歳そこそこで気づく。

ひとつは、文字や数字に色が見えること
ふたつは、飛蚊症


今日は飛蚊症のはなし。だって、たった今検査してきたところ。3時間も眼科にいた。


小さい頃から青空を見上げると、目の前に透明とか黒とか微生物のようなウニウニした物体が浮遊していた。それは視点を変えるとフワッフワッ一緒に移動する。面白いので、保育園の園庭で空を仰ぎ、友達とウニウニを観察することもあった。

著名人の wikipedia を読んでいると「彼はそれから飛蚊症に悩まされた」という文章があって、気になり《飛蚊症》を調べる。その飛蚊症というものは、青空に浮かぶあの微生物が見える現象ということがわかり、驚いた。みんな見えないの!? 病気なの!?
人類みんな、見えるんとおもってた。

運転している夫に「微生物みえるよな!?」と聞くと「見えるよ。」と言う。夫は見える派らしい。保育園のとき、隣にいたお友達も見える派だったのか。ドキドキして他の友人に微生物のことを聞くと、見えない派が過半数だった。不安になった。



飛蚊症を調べると、「症」とつくけど「病気」ではない。けれど「重大な病気」の「症状の一種」である可能性もある。生まれつきのものは、胎児のとき眼を形成する段階で取りきれなかった名残だ、というような記事だった。



それ以来、晴天の日に公園にいくと微生物のことで頭がいっぱいになった。平素は、見えてると思うのだけど焦点を意識していないので、見えていない。だが意識すればするほど、増えているような気がしてくるという強迫じみた状態になっていた。室内でkindleを見ていても気になってくる。

あー!もう、病院いこう。しゃーない。

と、朝電話して2時間ちょっと待って、瞳孔を開く目薬の浸透時間で30分くらいかかった。


飛蚊症のほとんどが生理的なものだけど、網膜剥離の症状という場合もあるから瞳孔を開いて眼底を診てみましょうというわけで、医師からは「今日この後何もない?5時間はボーっとするからね。車も運転しないでね。」と速やかに点眼される。

ボーッとって、どうボーッとするんやろ。浸透に30分かかるという。スッと病院を抜け出し、向いのスーパーで水と鉄火巻きを買って腹ごしらえ。そしてまた待合へ。

yes, I see



本を読むと効きが悪くなるらしいので、目を閉じて待つ。しばらくしてペンライトを持った年配の看護士がやってきて、瞳孔を観察され、また点眼される。
さらにもう一回! 開きにくいらしく計3回もさした。目を開けると、暗い室内なのに眩しい。つらい眩しさでなくオレンジが際立った夢の中にいるようだ。陣痛時の視界もこんなだったな。ためしにiphoneを覗くとかすれてる。手の平を眼の近くにもっていくと、ブレる。


見え方を試験しているうちに診察に呼ばれる。


眼に直接ライトで光をあてた後、ルーペらしきもの通して光をあてる。半端ない光が注いでくる。「人生史上一番の眩しさです!」と先生にレポする。「瞳孔開いてるんだもん。」と先生。キャパオーバーの眩しさだ。

先生「(目の前の)プーさんみて〜」「はい、右上みて〜」「右みて〜」「はい次、右下〜」という具合に目を360度回す。算命学で二十八元に浸かっている私は《はい、丑寅の方向〜》..《卯〜》..《辰巳〜》…と激しい光の中、目の前の十二支図を追っていた。

驚いたのは、目の前になんか根っこみたいなんが見える!それはだんだんクリアに見えてきて、自分の眼底に這いつくばっているであろう毛細血管が円形の枠の中に、くっきりと見えるのだ。

「先生!血管みえました。」というと「瞳孔開いてるんだもん。」

結果、綺麗な眼底だった。生理的な飛蚊症だということで安心した。

お会計を済ませ、病院の外にでると、もうそれは想像以上のとんでもない眩しさである!!元から感覚過敏で、光を余計に受け取ってしまう傾向。特に白色は直視できない。手で目を覆わないと、光が目に入りすぎる。


帰れないかも。


そう察すると同時に、病院の真正面にタクシーが1台停まっているのを発見。
無人だったけどエンジンは入っていて、「空車」だったので、目を瞑りながら運転手を待つ。
手の隙間から運転手が戻ってきたのを確認し、手をあげる。

車に乗り込み「あの、瞳孔が….」と事情を話すと「あーーー!!はいはいはいはい。わかるよ〜。つらいよな〜。わたしも息子も眼科通いでな。目を瞑ったままでいいから行き先教えてちょうダイ。」と、「瞳孔」というワードだけで全てを汲み取ってくれた。

「僕、普段こんなところに停車しないんよ。だけどトイレに行きたくなってね、スーパーで借りたの。」


と《ラッキー》というスーパーから出てきた運転手のおかげで、速やかに帰宅することができました。

冒頭で書いた文字や数字に色が見えることの話は、また別記事。


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