真の一貫性



とても古い箪笥があったとして
それを継いで使っていこうと思う。
どこかが壊れるたびに新しいパーツと交換する。


板一枚 また一枚と新調していくうちに、
理論上、いづれ全てのパーツが
元のパーツでないものになるだろう。

ではそれが「元の箪笥ではない」か
と問われれば
依然、形としては元の箪笥なのである。

元の箪笥が杉でつくられていたのに
桜の木になったとしても、だ。

粗い物質的には 杉は桜になってしまった。

けれど、形は元の箪笥を継承している。


一貫性とは 引いても引いても引かれない
なのに 微かにあり
粗いものを支えている。

柔らかな水のようなものだ。

羽衣の中の空気のようだ。

目には見えない、感じることができる魂なのだ。


人間の意思で「ブレない」よう努力している、
その一枚板の有限なことよ。

ブレないという言葉のみに固執していれば全体はもろともに崩壊する。



真の一貫性は
ブレ、変化の予兆を素直に受け入れることによって 露わになるというのに。













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