整体と算命学 vol. 2 (体癖)




算命学には器(肉体)と中身(精神・霊魂)という考え方がある。

中身のエネルギーが大きい者は器もそれなりでなければ、精神が肉体を破壊する。

これは「バランス」をとるための身体の自然。

命式的に、天将星・天禄星・天南星をもっている方は身強とよばれエネルギーが強いとみる。
また身強でなくても 命式に五行の極端な偏りがあったりしても、平均からあえて離れてその気をよく発散したい。

命式をみなくても、その人に鬱憤があれば
何を多く摂取して、何を排出させていないか
インとアウトのバランスをみる。


知識を詰め込むだけで、それを伝達していないのかもしれない。(これが伝達本能が強い者だとひどい鬱憤となるし、習得本能が強い者ならスポンジのように習得に対するキャパが大きいからまだ大丈夫。)

あるいは、一生懸命に伝達しても人の気を引けていないのかもしれない。



身体は生きようとするから、気がスムーズに発散されなければ、星が社会的に望ましくない形で発散されたり(いわゆる陰転)、呼吸が浅くなったり、鬱っぽくなったり 不安になったりする。

でもこれは必要なことだろう。
苦痛かもしれないし人に迷惑をかけるかもしれないけれど、賢い身体がそうやって発散しているのだから、むやみにとめてはいけないと思う。

だれだって、いつだって、
いますぐ欲求を全て思う通りに発散できるとは限らない。
叫びたいから電車の中で叫ぶわけにはいかないし
新入社員が有能だからとて、すぐにリーダーになれるとは限らない。

それを少しずつでいいから発散できる環境にしていく。

また「時期」というものがある。
ありがたいことに、人も環境もゆっくり変化しつづけている。
苦しければ苦しいままに道を歩き
時運の流れが訪れたときに トン・トン・トンと
今までのことが嘘のように スムーズに発散することもある。


健康とはエネルギー集散の調和した状態であり、自発的にいつもその調和状態を保っていることなのであるから、人間が生きている限り平衡要求は生じ、その現象として人間は動いているのである。

野口晴哉『体癖』 ちくま文庫



野口先生の体論は、
まさに「器と中身」「気と体」「融合と分裂」「合と散」の話であり


算命学者が入山した「霊魂口」でなく「肉体口」側から入った、おんなじ、
でもまた新しい景色を見せてくれて理解が深まる。
(登山口はどこにでもある。)


野口先生は 入ってくること・その個体をその個体たらしめる融合を《凝集》、
出ていくこと・その個体をその個体たらしめる運動を《分散》と 上の書籍では表現していたように私は汲み取った。

「ああ!そうか」と思ったことは
生きているから インとアウト活動をするのではなく、
インとアウトこそが 生きるという活動、という野口先生の発見だ。


生命活動はどこを切り取っても、全て インとアウト なのだ。


呼吸をしているから生きている。
吸う・吐く
食う・出す
霊魂・肉体
気・体
要求・発散
融合・分裂




うーむ。おもしろい。



引用文の『平衡要求』とは 算命学側の『中庸をとる』と同じことであろう。


どういう要求が、どのような形で、どのような力量で、行動として現れるのか、
それを掴む技術が算命学。

要求は算命学でいう本能としよう。

要求のカラーは本能を五分類して陰陽に振り分け符号化した十大主星 によって。形は 十大主星の原子=透出干。力量は 十二大従星。

そうやって推論することができる。

どのような要求を発揮、分散することでその個体が満足するのか、あるいは分散できないことで鬱憤がたまるのか、その傾向を紐解くものが陽占読解なんだ。


調舒という陰の伝達本能の星がある。(四柱推命だと傷官)

この星は〈汲み取ったものごとに自分の想いを寄せて、完全完璧に表現したい。〉
という星だ。
調舒を持つ者、特に中心か南方に持つ者が、その気の発現を抑圧されたとしたら、調舒のエネルギーは陰転として、身体や心を傷つける風に発散の仕方を工夫する。

天南という力量をもった調舒 だとか 庚の調舒(日干は己) であれば
相当に辛辣で「どうしてわかってくれないんだ!」とナイフのような物言いが身近な人物、そして自分自身に向けられるだろうし

天堂の調舒なんかは、他者の粗ばかりが気になり愚痴ばかりをこぼしていくのであろう。




こうしてバランスをとっている。

陰転も鬱も八つ当たりも痛みも、
命を守るハタラキである。

体のエネルギーの集注、分散の平衡を保とうとするはたらきがいつも行われているから

野口晴哉『体癖』 ちくま文庫


なのである。

こうやって生きている。



野口先生はこの分散と鬱散の習性、感受性の方向を『体癖』とし

人間の身体構造から、12種5類のタイプにわけている。(いまは合計10種類? )

これがもう本当におもしろいし、「わたしのことを言っているのかな?」と思う。

エンタメのようにもてはやすことは 整体として本望ではないだろうが
算命学や分類学に興味があって、このブログを読んでいる方には、惹かれる方も多いかと思う。


体癖チェックをつくっているサイトはいろいろあるけれど、

おもしろ整体・体癖研究所

の「チェックリスト」でチェックして
当てはまる種の 体癖の記事を個別 に読んでいくとよいとおもう。
この研究所は体癖愛に満ちている。
(体癖は、ひとつではなく、誰でも3つが複合してもっているそうだ)




わたしは 6種-9種-4種 だった。

プロの診断をうけてみると 9種-8種-2種でした。(2023年5月9日訂正)
拍子抜け。この話はまた後日。

そして5月に、実際に身体を触れるなどして
体癖をみてくれる方のところにいくお約束をしたばかり。
楽しみで仕方ない。





▼ 算命学 個人鑑定を整備しました。













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