占われる側になってみた




おととい 8年ぶりにタロット占いを受けてみた。
開始時刻の30分前は 時計を何度も目にしてはそわそわし 胃すら痛いような感じがする。

まだ大学生の頃、友人に推されて 渋谷で 2度鑑定していただいた先生で、お名前を検索をしたら 自家店舗があることがわかり また依頼することができた。

鑑定実績は20年だというから40-50代だろうに、美人で年齢不詳。声が大きく はきはき喋る女性で、自信があるのだということが分かるから安心してお任せできる。ロンドンで7年間の鑑定実績がある先生だ。





「わたしは、算命学を学んでいるのですが…」から始まり45分の対面。


おまえ、算命学で自分をみろよとツッコミがきそうだが、この2年間は占技の実験台として手垢がつきすぎて 自分で自分を考察することに飽和してきたというか、他の視点ではどうなのか 確認したくなったというわけだ。



緊張して本音の6割は真っ白になってしまうだろう。鑑定前には ウヤムヤの輪郭をなるべく言語化してからのぞんだ。

  • 何を聞きたいのか
  • 自分はどうしたいのか
  • なにを大切にしているのか
  • 時間が余ったときの予備の問い



    などを、子どものスケッチブックをちぎって書き連ね 手元において鑑定がスタートした。




占いを有効活用するために


依存的に・頻繁に・あるいはエンタメとして
当たるも当たらぬも八卦的に
ふわっと占いを受けるてみること以外では、


— 自分の道に少しでも 有用なヒントを受けようという心構えならば —


それについての自分の考えを 事前彫刻してから望んだ方が 占いは一層有効なものになる場合がある。特に仕事や経営戦略、人生の「道」、役目役割 に関する相談など、リアリティのあるものであるほど。




きちんとした問いが設定されさえすれば、問題の半分は解決したもの

という言葉もある。

シャープな問いとそこまでの言語化されてきたプロセスの破片たちがあれば、占いといいお付き合いができる。もはや占いすら不要になるかもしれない。




占い師は あなたのことを 知らない。
あなたの仕事のことも 哲学もわからない。

占いは通常、相談者と相談者のことを何も知らない占者の間でおこなわれる情報共有のやりとりである。


私たちの仕事道具は 相手を「仮に」知るために使われる。
卜占なら「筮竹」や「タロット」 命術なら生年月日から出た「命式」「星座」 相占なら「手や顔」「筆跡」etc…

そして生身の人間から得られる情報。
喋り方、容姿、文章の書き方、手の仕草、どのメニューを選択したのか、返信速度や約束の時間に対しどれくらいのプラマイで入室してきたか、なども その人物を推測する材料になる。




霊感に頼らない種類の占いは仮説作りから始まる。
医学も整体学もそうかもしれない。
少なくとも算命学は、そうだ。



タロットや生年月日から得られる仮説は、無限にたてられてしまう。


たとえば

タロットの「吊るされた男」のカードの意味は (1) 手放す (2) 逆転 (3) 一時中止 (4) 自己犠牲 と大きく4つあり、そこから更に細かいニュアンスの意味合いを考えることができる。

算命学の「鳳閣星」の性格は (1) のんびり (2) あるがまま (3)正確冷静 (4) 中庸 …. 主にはこんな感じ。鳳閣星を鳳閣星たらしめる根本要素「陽火(太陽)・伝達・直接・大衆・男性的」から考察するなら いくらだってアイディアをだすことができるんだ。


その人物に出た「吊るされた男」ないし「鳳閣星」が (1)-(4) の、どの質が「そうだ」と頷いているのかは 彼らの実際問題や環境をヒアリングしてみないと正確にピックアップすることなど、到底できない。




無限の仮説から、今のその人にもっともフィットする説を抽出するために、

相談者は自分の裸の心・問い を占者に伝えることが

いい時間 をつくる 肝になる。




イケてる占者なら、あなたの邪な考えに説教はしないと思うから。

それをありのままに受け止めて 材料として上手く捌いてくれると思うから。






【余談】占いをしてもらった結果


先生「…. あなた 占い師に向いているか向いていないかでいえば、私は向いていると思うな。」

先生「なぜなら “優しすぎない„ から!」

私「笑」

先生「いや、これは占い師として大切な要素よ〜。たとえば鑑定結果のあとに質問は1回までと設定するじゃない。それを超えて質問をしてくるお客さんもいるんだよね。それで疲弊するみたいな、実際知り合いの占い師にもいるからね。

あなたはそれされたらキレるから。」




先生「他になにか聞きたいことある?」


私「今更ですが、基本性格を知りたいです。」


先生「うん!算命学の基本性格はなるほどな〜って感じ?」



ピャっ ピャっ ピャっ.. (カードを並べる音)



先生「…..突破口をみつけて一気にいくというよりかは、コツコツタイプ。

ずーっと何かを学んでいくとか 確かに西洋(占星術)よりも東洋にいったのも分かる気がする。

結構リアルだもの、あなたのカードって。」


私「リアル?」


先生「リアル。リアル。….. なんかほんわっとした…例えば占い好きな人ってさ、こお..メンヘラちっくなところがあったり、なんか天使がどうのとかさ、あるじゃない?
なんもないもん、あなたにそんなところ。それよりももっとリアルなの。
だから “学術的なもの„ だとか、“昔から続いている伝統のしっかりしたもの„ に基づいて、みたいなものは とってもとっても向いている。ただ遊び心がないわけではないから、絵とかは好きなんじゃないの。大人になってもちょっとした幼い心を持ち続けることができる人だと思うよ。あと子育てもうまいと思う。成長遅いなあ、と思っていたとしてもあんま口煩くしないもんね。むしろどこかで割り切ってみてる感じ。こんなお母さんになると思うよ。

ちょっと自分の中にね、“それ要らない„ というのが入りやすいから。勝手にカットオフしやすいんだよね、実は。カットオフしやすいところがある。

けどそこで愛情が薄い人は、子供に対して無関心になっちゃったり旦那と別れたり 諦めて口も利かないということになるけれど、あなたはそうじゃない。

なぜならあなたの中には “ルール„ があるから。 そのルールに基づいて、付き合っていくだけだから。」





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こう聞いていると、算命学の命式と そんなに相違がないことに気づく。


自分の人体星図 は 天禄・天南・天報 と 現実的(リアル)な星が3分の2を占めているし

先生の言葉に何度も「ルール」というワードがでてきたけれど 「= 算命学」のことを表しているんだろうな。わたしは算命学の考え方を知ってしまったから そのルールは大いに活用しているし、陰陽五行説が考えや ものの認知の 司令塔にすらなっているときもある。知ってしまったら、知らないときには戻れない。

子供に口煩くしない どこか一歩引いた目でみているのは 午未天冲殺の特性だね。

先生の一言一言に、「これは庚」「これは司禄星」と当てはめていく余韻もおもしろい。





わたしはタロットは専門家ではないけれど

タロットという机の上の小宇宙も
宿命という、流れる時間のある一点をきりとった図も
あらゆる設定が違うだけで 「露われ」としては一緒なんだろうな。





参考文献: LEARNING THE TAROT Joan Bunning / Ryuichi Izumi (駒草出版)

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