生ハム食べたら頭痛きた



「片頭痛」というタイプの頭痛がある。女性に多いのだが、ご存知だろうか。


名前のとおり、頭の片側が痛くなる。(両側痛む人も稀にいるらしい)


小学校5年生から発症して、6ヶ月-2年に1度のペースで発作が起きていた。
妊娠中は一切起こらなかったのに、産後1年間は2-3ヶ月に1度と頻繁に出るように。


わたしの場合、目の前に光のギザギザで視野の一部が見えなくなったあとに酷い頭痛と吐き気。それが5時間くらい続いて、消失に向かう。

(書いてて吐きそうだ。
二日酔いの大学生に「ブラックニッカ」
悪阻の妊婦さんに「ベーコン」
そして、片頭痛持ちの人に「ギザギザ」
というパワーワードだけで吐ける)



そんな時はもう暗い部屋で寝るしかなくて。寝返りを打って苦しみつつ時が過ぎるのを待つ。
痛みを形容すると 酷い二日酔い×2 くらい。
オールした二日酔いのお昼過ぎくらいレベルの頭痛と吐き気×2


こうなると日常生活は一切できない。
光も音も、強く感じる。
ロキソニンとかも、効かない。

頭痛外来へ


前回の発作は今までにないくらい酷いもので、布団から起きた途端、手と足が冷たく震え廊下で起き上がれなくなった。全身震えが止まらない。

「これはやばい!」と夫と車で救急へ。

結局、運ばれた総合病院では「頭痛専門科」はなく、散々待った果て、内科の医師にカロナールだっけ?とにかくメジャーな痛み止めを処方され終了。検査とかは…?


怖くなり、ついに頭痛外来へ。

小さな待合の患者さんは老若男女だ。みんな同士か。


先生と話をする。

「ギザギザきたかー!」
「もうそんなシンドイ思いをしないよう薬をポイっとのみましょう♪」


男性医師だけど女性的な感じもする。
「医師」という職を心から楽しんでいるような、そんな人だった。
人として、もっと知りたいと思うような人物。


一度診察室からでて脳のスキャンをとった後、「これ見てちょーダイ」と片頭痛を引き起こしやすい食べ物や生活、アドバイス等が書かれたA4の用紙をいただく。


赤ワイン、チーズ、チョコレート、柑橘類、ナッツ、ハムやソーセージ、珈琲、紅茶、香辛料…


全部、好物なんですけど。


「好きなもんばっかり….」と私がボソっと言うと
「もぅっ!」とパシっと私の膝を無邪気に叩く先生。


マリアージュというんだろうか。
芋づる式に、赤ワイン好きな人って大概、以下が好きだと思うのよ。


わたしはそれらを摂取し続けることをやめない。





緊張と弛緩


頭痛のクスリを2種、吐き気のクスリを1種、計3種の特効薬もらうことになった。
調剤薬局で陳列してあった頭痛ファクターの「蜂蜜ナッツ」を早速買って、食べながら家に着く。

早くクスリの実力を試してみたい、と思っていたのに 6ヶ月経ってもやってこない。



A4の片頭痛プリントに書いてあったことで
片頭痛は「緊張が続いた中、それが解きほぐれた瞬間」にやってくる。
だから週末に発作が起きることが多いそう。

わたしも、夫が傍にいる時に限って、発作がおきる。


産後6ヶ月までは 母乳を与えるため細切れ睡眠が続いていて、そのあとも昼間の赤ちゃんと二人きりの日々はかなり緊張感があるものだった。自分が守るしかない無防備で動き回る生き物。いつ泣き出すか、いつ眠りから覚めるのか予測できない生き物。

予測不能って相当なストレス。だから古人は自然観察をして法則を見出したんだ。暦や算命学を作ったんだわ、きっとそうだ。

その反面、夫が家にいる時間はもう全てのことを夫がこなしてくれた。夕方、仕事から帰宅した夫があがってくる階段の音はシフト終了のゴング。緊張の糸が一気に解ける。休日は学生の時のように9時間寝る日もあった。


そして翌日のギザギザ(前兆)である。


片頭痛 A4プリントをみて、この生活かと思い当たりすぎた。

鳳閣 vs 車騎

その 緊張. 緊張. 緊張. 弛緩. 緊張. 緊張…. という生活リズム。

命式の壮年期に鳳閣星と車騎星がきているのだけど、
そのカラーがでているのでは。

鳳閣 弛緩担当。のんびり、穏やか。
車騎 緊張担当。イケイケゴーゴー!
火剋金で、理屈では車騎はマイルドになっているけど、ガッツのある天南星が背景にある。
天南星は、人間の一生でいうなら青年の星。体力精神力も相当にあって、怖いものなしで前進しつづける性質。


鳳閣「寝るの大好き。楽したい。9時間寝たい〜。好きな時に好きなだけ寝たい〜。」
車騎「今日公園どこいこ?少し遠いけど、あの山側の公園に自転車かっ飛ばしていくか!」
天南「何時間でも働けますけど? 帰宅後、蒸しパン(離乳食) つくるか…」

鳳閣「zzzzzzz (9時間睡眠)」



ギザギザ!


そんな緊張と弛緩の落差が激しい日々は、新型コロナの影響で自宅の環境がガラっと変化したのと、息子そのものの成長により穏やかになっていった。

こちらの言葉がわかるようになってきた息子は、楽になった。彼自身の情緒も安定してきた。
昼寝も決まった時間に、決まった分だけ、深く、するようになって「いつ起きるかわからないハラハラ感」で私は一切眠れない、だなんてことはなくなった。


それからだ。6ヶ月も発作が起きないのは。

生ハム食べてみた


コンビニに行く車の中で、もうすっかり忘れていた片頭痛のことを思い出し「もう片頭痛が来なくて6ヶ月経ちます」と夫に言いかける。(言わなかったけど)

普段ならコンビニの加工肉は買わない。けど無性に生ハムが食べたくなった。
裏面の原材料を眺めつつ、そう言えば生ハムは頭痛ファクターだったな。と意地悪く思いながらも、A4プリントの食事制限は半信半疑だったので、カゴに入れないわけがない。
ワインもカレーも

それより片田舎のコンビニにハモンセラーノが売っていることが驚きだった。
5-6枚入りで一気に食べる。


翌日目覚めると、目の前にギザギザの泉があった。
息子の顔が見えない。

起きたら9時で、息子とわたしは相当寝ていた。

生ハム × 寝過ぎ ですんなりとその日がやってきた。

片頭痛のことを想った翌日に来た!
それに感動して、別室で早朝から仕事をしていた夫に感動を伝える。

「きのう、6ヶ月になるねって言おうとしてたんだよ!生ハムをカゴに入れた時も感じてた!」とホクホクしながら3種のクスリを飲む。

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