先日、算命学の授業で「妊娠しやすい時期」の判定方法のひとつとして
先生は、(五行の) 水性に着目する と仰っていました。子どもを五行で表すとたしかに火性南方なのだけど、妊娠という点でみるなら、水性北方なのだと。
十大主星の水性の星は玉堂と龍高。 人物にたとえると ・玉堂星は正母 ・龍高星は偏母(継母、乳母のような実母ではない存在)
子育てという活動を象徴する十大主星は陰水の「玉堂星」なんだとも。
玉堂は教育の星・学びの星、とは知っていましたが 子育てでもあるのだなー、と知ったのは最近の授業でのこと。
わたしは 過去記事で 後天運(主に年運)に火性伝達の「鳳閣星」「調舒星」がまわってきたときに、一種の判断材料として 妊娠しやすいのではないか、と自分の経験とともに語りました。
この過去記事はけっこう人気があります。
鳳閣・調舒が子供を象徴する星であるとともに、それは自分の干が環境の干を生じる年、だからです。たとえば、自分が樹木(甲)であれば 火にエナジーを漏らしている年、です。
鳳閣・調舒という火性伝達の星が後天運であらわれる年の干支は、「自分の日干が生じる干」の干支といえます。たとえば日干が癸の人であれば 水生木(水が木を育む/生じる)、で 甲子の年、や乙亥の年、など干が木性=甲・乙の年です。
ことしは2021年で辛丑の年ですが「金を生む五行は何か?」というと「土」。土生金(土が鉱物を生む) と 日干が戊・己の方々の後天の十大主星は、鳳閣か調舒がまわってきています。
ちなみに 鳳閣と調舒を人物にたとえると ・鳳閣星は男の子 ・調舒星は女の子
自分が生じてうまれたエネルギーが 鳳閣・調舒
自分が生じられてうまれたエネルギーが 龍高・玉堂
師匠の意見と、わたしの過去記事は真反対、カチ合っていますが
この水と火の カチ合い 表裏一体こそが
性行為・受胎・妊娠・出産・子育て というプロセスにかかせない現象だと思うのです。
そもそも、この世において 何もないところから新しい動体が生じるには、陰と陽の交わりが必要です。
動物・植物が生まれるのは、陰(女)と 陽(男) が 交わったからこそ。
その交点に自分がいるのです。
水とは五行の始めであり、元気のあつまった汁である
五行大義 (五行の名を釈す)
水(陽・動)は精液
火(陰・静)は卵子
だとして、陰に陽がぶつかり受精
受精した卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮に到達します。
「性行為」を ざっくりと 五行に分類したら火性でしょう。
火性は南方で、快楽の場所でもあります。季節は夏。
南方は、温かく明るいです。五色は朱、五徳は礼、五本能は伝達。赤ちゃん・子供・お祝い・お祭り・快楽・大衆・楽しさ・夢・血、にたとえられるように ほとばしるような ワクワクする場所。
一方、水性は北方で、知性や学術・創造の場所です。季節は冬。寒く暗いです。
五色は黒(というより光のない暗色)、五徳は智、五本能は習得。
人間の性行為(火性)も避妊も 知性(水性) に支えられてこそ。
妊娠を最速でしたいのなら、物理的な活動もそうですが 知性も大きく味方します。
原始な面からみると 妊娠に合理性は似合わないのですが、合理性は人間の自然な性です。
合理的に妊娠をするには、女性の前回の生理日や基礎体温の記録から排卵日を予測したり、医療の応援を得ます。なんせ、1ヶ月のうちに受精できる日にちは1-3日と限られているのですから。
妊婦という ひとつのような …. ふたつのような 生命体を詳しくみると
母体は火気も水気も盛んになります。
血液量は妊娠前の1.4倍に増加します。体温は37度前後の高温をキープします。子宮には羊水がどんどん増えてきます。
血は、流れ(水性)という用きにより 温かさ(火性) と酸素(木性) などを運びます。
もちろん胎児にも。
胎児は光の届かない暗い場所にいます。しかし温かいです。
まだ地上には発露していない姿で、土中の種子のよう。
水性(壬・癸) は 冬(亥・子)。冬は終わりですが、始まりでもあります。
寒でありながら、地中に温の兆しを含みます。
「子は陽気が動いて萌え始め、地下に新しい生命が生まれる」釈名
「壬は任(はらむ)である。癸は揆(はかる、のり)である陰気が陽気を任んで、筋道をたてて 物を芽生えさせることである。」五行大義
「その時には、万物を閉ざし、地中にいだきはらみ、ついに筋道をたてて芽生えさせるのである」鄭玄
胎児といえば 十二大従星では「天報星」。
天報星は、陰と陽・男と女・静と動 の中間。まだ陰(卵子)と陽(精子)が集まったばかりの未決定の状態。固まらない状態。
で、占いとして
「後天運の十大主星」という着眼点のみでとらえるなら
どうなの? 玉堂星(龍高星)? 鳳閣星(調舒星)?
これは算命学という思想の範疇において、«わたし» は どちらも、妊娠の暗示 あるいは しやすい と受け取れると思う。
鳳閣・調舒 一択だろう、と思っていたけど 先生の講義を聞いて、じっくり考えると水火は表裏一体なのだ。
鳳閣星を → 「子供と関わる何か」「おおらかな気持ちになるので妊娠しやすい」「男の子」
調舒星を →「女性に関わる何か」「神経質で繊細になる・情緒不安定=妊娠によるホルモンバランスの変化」「女の子」
玉堂星を →「正母・教育」「自分が母親らしくなる」
龍高星を「偏母・教育」「医療により体質を変える」
ととれるんではないか。(上から、有力候補順。順番は私見。)
で、実際に妊娠した人111人の年運を調べてみた。
とあるサイトで有名人の妊娠出産報告を随時まとめている記事がある。そこでサンプルをいただく。
2021年 辛丑 1月〜3月
(そのサイトの更新は3月でストップしていた。)
2019年 己亥 1月〜9月
(9月で、わたしが力尽きた)
にある有名人の日干をだし、後天運の五行をみていく作業。
調査対象がなぜ 辛丑・己亥 と、陰の年なのかというと、そのサイトには「いつ受精したのか」までは記していなからだ。なので、妊娠発表をするということは最大10ヶ月前から今までの間に受精しているということになる。辛丑の1月に妊娠5ヶ月だと発表した人物ならば、受精したのは庚子の年の4月頃に遡る。 辛と庚は同じ金性だ。だから後天運も陰陽は違えど、同じ五行になるといわけだ。 この調査では、十大主星の特定はせずに、五行の勘定をすることにする
どの十大主星の五行が多いだろうか。
1位 火性 伝達 鳳閣星・調舒星 (27人)
1位 水性 習得 龍高星・玉堂星 (27人)
3位 金性 攻撃 車騎星・牽牛星 (22人)
4位 木性 守備 貫索星・石門星 (19人)
5位 土性 引力 禄存星・司禄星 (16人)
おお!
火性と水性が同率 1位 にきているという、このブログを書いた末に嬉しい結果!!!
ただし、算命学は統計学ではなく思想だ。
この数字も、「ただそれだけのこと」であり、筆者の実験である。
算命学では人間は 霊魂(陽)と肉体(陰)でできている、とする。
算命学で考察できるのは霊魂と肉体の一部 (行為行動と体質..外見くらい?) で
生身の肉体 (適齢期? そもそも回数は? 生殖器の状態は? ) や カップルのバースプランは範疇外である。本人に聞かなければ、それは分からない。
今日はここでおしまい。おやすみなさい。
参考資料
- 東京都福祉保健局 東京都妊活課
- 五行大義〈上〉
- 算命占法〈下〉