ゴールデンカムイと算命学の方向理論 ―樺太編―


ゴールデンカムイ、23巻分が先週到着しまして、やっと書きたかったこのトピックに着手できます。
じつは今までDMMで漫画をレンタルして読んでいたのです。紙の漫画です。
返却期日までにブログがまとまりそうになかったので、結局全巻購入しました。

先日投稿した ゴールデンカムイと算命学の方向理論 ―北海道編― では、
算命学の東西南北中央の図と、アシリパたちの進路を照らし合わせて
彼女は、東方すなわち「現実未来」へ進んでいるのだ!という発見を書きました。


↓これ




今日は、そのつづき。

「東方」にたどり着いた、その後のはなし。

(網走監獄での結末、そして137話くらい以降の話にがっつり触れるので
ネタバレ気になる方は、そっと閉じてください)






小樽から、目的地の網走監獄(東方)に到着しました。
そうするとアシリパたちの現在地、つまり(中央)は網走になります。

網走監獄では、彼女なりの、ひとつの目的を達成します。
アシリパは双眼鏡越しでしたが、のっぺらぼうが自分のアチャ(アイヌ語でお父さん)だと確認することができました。

東西横線を辿り、「生身のアチャ」に会えたのです。
東西横線は有形、すなわち目に見える世界。現実世界です。
生身の、です
生身(有形)の。

会えたのですが、瞬間にのっぺらぼうは何者かに射殺されます。
金塊の在り処、暗号を制作した張本人が死亡。

アシリパはまだ心当たりがないようですが
アチャは実娘に金塊を託すために、暗号の鍵を伝えています。

なので、この時点では、暗号の鍵を知る人物がアシリパだけになりました。

ここから始まるのが樺太編です。出発地は網走。
方位の図でいうと、いまここ中央が網走になります。


ここのブログでは、金カムの細かな解説は省き、最低限の筋だけに触れています。
細かなことを書けばもっと鮮明に伝わるでしょうが、ここは算命学でゴールデンカムイを考察することが主旨なので我慢。
最低限での記述….むつかしい、です。書いてるうちに、あれも!これも!と書いては消して、の繰り返し。




樺太編 (南北/精神線 現在地から精神過去へ)


アシリパのおとんの名前は「ウイルク」

アシリパに暗号の鍵を思い出してもらおうと、

・アシリパ
・キロランケ( 通称キロちゃん。ウイルクの幼馴染。樺太旅の先導者。)
・尾形百之助 (敏腕狙撃手。アシリパは知らないが、ウイルクを射殺した本人。)
・白石由竹 (脱獄囚人。脱糞(獄)王。お笑い担当。)

の4人で、網走から樺太へ向かいます。
(キロちゃんと尾形は組んで、主人公の杉元を裏切ったのですね。)


北方樺太はウイルクが生まれ育った土地です。
また、樺太とロシアは、ウイルクとキロランケに縁が深い土地なのです。


ウイルクの生まれた村は樺太北部、敷香(ポロナイスク) の下の方だと推測しました。
キロ曰く、ウイルクが生まれた村は 148話にでてくる養狐飼育場の近くだそうで、樺太の養狐飼育場を調べたら、そのひとつが敷香郡内路村にあったという記事を見つけたので。


さ、樺太編の旅順です。(オレンジ色の線はこんな感じかしらと、だいたいの順路です。)
日露戦争後の1905年から1945年まで北緯50度線を境に、北はロシア領、南は日本領でした。

 アシリパ一行の旅順。想念を辿る旅。


アシリパは、なぜアチャがアイヌを殺したのか、自分に金塊を託そうとしたのかをキロランケに尋問します。するとキロランケは

その答えはこの樺太の旅の中で見つかるはずだ
お前の知らない父親の足跡をたどっていけばかならず…

ゴールデンカムイ 148話 / 野田サトル / 集英社


そう、樺太編とは「想念を辿る旅」に思えました。

想念とは無形、目には見えない世界。精神世界。
算命学の方位図では南北をつないだ縦線です。

北方は 精神の過去 の場所です。
人物で表すと、両親・目上。または父親

北上することによって、精神の過去を辿ろうとしているのではないか。

気づいて、もう「うわああああああああああああ」です。ひとりでうわあしました。

面白いのが想念を辿っているのはアシリパだけではないのですね。
同行している、キロランケ、尾形もこの北方の旅の最中に過去を回想します。
特に尾形はエグい。

厳しい寒さ、雪、氷、キリル文字、イヌ橇。
太陽の勢力は弱く、陰気で、暗いけどキンっと引き締まった静寂。
北方の独特の雰囲気。
樺太に住む少数民族。シャーマニズム。

そんな北方の空気は想念を顕在化させるのかもしれない。


その重さの中、お笑い担当(?)、白石由竹が良い味をだすw あなたは光だわ。

北緯50度を越え、密入国でロシア領の「亜港」まで行きます。

亜港監獄には、かつてウイルクとキロランケと反政府として手を組んでいた女囚ソフィアが収監されています。

私の父のことを教えて欲しい
ソフィアしか知らないアチャのことを

ゴールデンカムイ 182話/ 野田サトル/ 集英社

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キロランケが企画(?)したこの旅でアシリパは成長しました。

十大主星でいうなら龍高星的な発展を感じます。既存の文献や師匠から習得するのが陰水性の玉堂星に対し、陽水性の龍高自分の生身の体験を通して習得 しようとします。アシリパはもともとが知性強めでしたがそれは玉堂的でした。先達から与えられた知恵を駆使して村や北海道の山でやりくりしていた。彼女の年齢と生活の範囲内で、精一杯の(水性)を発揮しているような。

(樺太編では別行動の)アシリパの相棒、杉元佐一には優しさと保守的な面があるんです。アシリパさんのらしさを脅かすものに容赦しないというか。小樽へ「帰ろうか?」と案じてくれるし。偉大な保護者なようなポジションです。

就職や進学・留学等で故郷を離れた経験のある方はわかってくれるでしょうが、保護者から一度でも離れるとステージが飛躍する人はするんですよね。

キロランケの大胆なバックアップで「北海道」という枠を離れ、さらに水を得たというか、
彼女はもういろんな意味で北(知性・水性)に向かっていたのでしょう。



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