埃っぽく眩い • ターシャ・テューダー (VOL. 3)





ターシャ・テューダー を算命学で考察していくシリーズは 今日で最終回。

長いのに ここまで根気強く読んでくださった人、ありがとうございます。

今回は 彼女の「二面性」そして「家系」について考察していきます。


▼▼▼ 今までの記事 ▼▼▼



両手に「天馳」… ガーデナー・作家


彼女の干支配列をみると 年支と日支が「卯」と同一。

だから十二大従星は

若年期「天馳」
晩年期「天馳」

となっています。


わたしは二つの人生を生きているみたい。
ここで暮らす、ただのおばあちゃんのわたしと、みんながすばらしいと憧れるターシャ・テューダーと。

Tasha Tudor


「卯」につく天干は異なるので 律音ではないけれど、彼女自身がそう言うように (現実的に) 二つの人生を生きることを示唆しているのでは。


まず ターシャ・テューダーといえば多くの人は「庭」「作家」と 二大イメージが湧くと思う。
園芸が好きで、彼女を知った人。
絵や物作りが好きで、彼女を知った人。
とターシャのファンにも入口が大きく二つある。


陽・東・公・若年期 (天馳) ・・・作家・仕事
陰・西・私・晩年期 (天馳) ・・・ガーデニング・プライベート

あるいは

陽・東・公・若年期 (天馳)・・・みんなが憧れるターシャ・テューダー
陰・西・私・晩年期 (天馳)・・・ただのおばあちゃん


アメリカを代表する絵本作家・素晴らしい庭をつくったガーデナー。
同等に名高いターシャ。

生計は絵本で立てて、それは「生活を営むため」「球根を買うため」と きっちりとお金の窓口なのだと割り切る彼女。やはり1番は庭や家庭なんだろう。

こうやって 現実的(支) には2つ在り方があるけれど 精神的(干) は 淡々と「一貫して自分的である」。

なぜか 在り方としては くっきりと2分類できるのだけれど それでいて まるごとターシャ・テューダーのような。

(これが律音であれば 現実行動のみならず、自分のものの考え方や、他人が受け取るその人の印象も 二面性や裏表が出てくる)


財産の相続



2008年 92歳でこの世を去ったターシャ。

ずっと昔に 彼女を知るためにWikipedia を見て 驚きだったのは、死後に財産相続をめぐって 3人の子たちが 長男を訴訟したことだった。

彼女が残した広大な土地と
彼女が (おそらく)家系から受け継いだ200万ドルの美術品の数々。

vol.1 の記事に書いたが、ターシャは代々つづく名家の出であるし 算命学としても家系を受け止め終わらせる午未天冲殺。
家柄にもかかわらず 質素を好んだ彼女の独自性は 戌亥・辰巳天冲殺 にも見えなくもないが、無形有形ともに 家系の流れを受け継いだ人である。お父さん(設計士) お母さん(肖像画家) の物作りの血を引いて 能力をフル発揮しているし、その頃のニューイングランドで同じ時代を生きた ソローやエマソンなど 影響力のある思想家たちとも 交流があるという恩恵を受けてきた。
代々大切にされてきた美術品・骨董店を営んでいた母の家財など、コレクションも受け継いだのだろう。


ターシャは 長男のセスとその息子ウィンズロー に財産の大半を、

(疎遠であることを理由に) 残りの幾分かを他の子ども3人に。

こういう分配を望んだ。

それじゃあ不服だ。と3人が 長男を訴えたのだった。



セスとウィンズローが 大半を受け継ぐのは 当然なのでは。

ターシャ・テューダーの暮らしのドキュメンタリーを見ていた人の 大半がそう感じるだろう。




ドキュメンタリーには 長男夫婦とその子ども夫婦(孫)、そのまた子ども(ひ孫) と彼女の友人が出演し、他の子どもたちは (私が知る限り) 見当たらない。

そもそも ターシャが住む素敵な家は 長男セスが18世紀の家づくりを勉強して 一人で作り上げたもの。そしてセスは母の家から10分の場所に住み、母の暮らしや家の手入れを 日々サポートしてきた。
セスの奥さんも、セスの子どもウィンズローもその嫁さんも、広大な庭の手入れや季節仕事に関わってきた。

セスは その人生の多くの時間を 母親に注いできたのだ。



わたしは彼の生年月日は知らない。だから天冲殺で考察することは不可能。
継承する人なのか(申酉・寅卯・午未)、そうではないのか(子丑・辰巳・戌亥)
興味津々なのに、調べても生年しか見つけることはできなかった。


では六親法で ターシャ側から親族を眺めてみよう。


六親図


彼女は「辛」だから、夫は「丙」or「丁」で探す。
ない。ブランクだ。

彼女のお母さんは「戊」。 月支にいるではないか!
するとお父さんは本来取りたい「癸」がないので「壬」とする。これも月支。

【考察 1】
ターシャは2度の結婚と離婚を経験している。陽占で配偶者に天馳星がきていることもあるし それがどんな人物であれ (算命学的にみれば) 配偶者とは最終的に縁がなかったのだろう。

【考察 2】
父も母も月支(家系の中心) にあるということから 彼女の両親は各々が由緒正しい家系で どちらの筋も、ボストンの名家出身であるということにも肯ける。「壬」も「戊」も陽干であることから母親は家庭には収まらない人物であったのだろう。(実際に、肖像画家でありながら経営者でもあった)

【考察 3】
両親はターシャが9歳のときに離婚していて そのあとは母親側で世話になっていた。
母親「戊」に対して「癸」をとりたかったが見当たらず、二番手の「壬」をとったことから、父親とは若干、縁が淡かった。とも見て取れる。



子どもはどうかな?


金生水、「壬」あります。
「癸」ない。


ターシャが最終的に縁が深くなりそうなのは 月支にある「壬」1つである。

壬 は男の子。
これは、長男セスを示唆するのでは!


【考察 4】
他の3人の子供たちと疎遠になり、長男が近くに残ったことも肯ける。

壬 が セス・テューダーだとしよう。それが月支(家系の中心)にある。
ターシャにとって セスは 自分が家系から受け止めたもの・そして自分が創り上げたものをパスする人物だったんだろうね。

セスは、お嫁さんと子供たちと、そのまた子供たちと共に 今もターシャの家や風合いを守っている。
(公式ホームページもあって、家具や衣類なども販売している!)


六親法で眺めるテューダー家は興味深い。

ターシャの六親図でみる義娘はブランクだけれど、これはセスの六親図では どうなっているだろう?
と知りたくてたまらない。







2016年に ターシャ・テューダーのDVDを見て その影響で テラコッタの鉢や ヤフオクで渋い鉢を 熱心に集めたにもかかわらず、植物を枯らしてしまったのは 日干「丁」で 「木」がちょびっと(蔵干)しかないからでしょうか 泣

小さい頃から 庭をつくっては 枯らすのだけど〜!





この記事を書くにあたり インスピレーションをもらった本
「思うとおりに歩めばいいのよ」ターシャ・テューダー 著・食野雅子 訳


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