月運 律音 と 皮フ革命




夫は幼少の頃、アトピーと小児喘息を繰り返す体質であった。

ひっかき防止ミトンをはめる0歳のときの夫



大学を卒業して 社会にでてから数年は実家で生活をしていた彼は、転勤を機に実家を出ている。喘息は成長するにつれて消滅し、アトピーは一人暮らしを始めた頃から消滅した。

わたしと出会った頃は「アトピーだった」と聞いて「へ、どこが?」という感じで、全身はとても綺麗な状態。ごくたまに指先に細かい水膨れができるくらい。



大人になり平和だった夫のお肌は、あるとき帯状疱疹を発症して そこからまたアトピーという慢性的な肌質に舞い戻ってしまった。帯状疱疹はすぐに消えたきれど、皮膚全体のバランスが瞬間に崩れたんだと思う。6年前のことである。

その頃、わたしは 彼以上にひどい皮膚状態で、皮膚科に世話になっていた。
主治医のもと2年くらい標準治療をしているうちにすっかりよくなった!


入籍し、同居。
わたしとバトンタッチするように、アトピーが乗り移った夫。


新居から近い皮膚科で診てもらい「アトピーですね」と お決まりの保湿剤とステロイドの処方。


けれど、ちっとも引かない。

わたしは5年かけて、夫のアトピーに対して 様々な方向から、アプローチを仕掛けた。

  • わたしが通っていた皮膚科を紹介
  • 保湿仕事はわたしがする
  • ラップパック
  • チュビファースト(包帯のようなものを全身に巻く療法)
  • びわの葉ローション
  • 漢方治療をやっている医者を紹介
  • アトピー関連の本を読んで おすすめできるものを夫に流す
  • 非合成洗剤で洗濯、もちろん柔軟剤は使用しない
  • 浄水器とビタミンCタブレット(塩素除去)
  • 服は全てコットンに


彼は大人しく実験台になっていた。


チュビファーストなる帯を全身に身につけ 躯のような姿になった夫。

(躯(むくろ): 漫画、幽遊白書に出てくる三大妖怪の一人。中身はきれいなお姉ちゃんだが普段は包帯でグルグル巻きにしている)

チュビファーストが 板についてきたころ、出産を控えていた私に、夫は心配そうに言う。

「ねえ、助産院でチュビをしたら先生に変だと思われないかな?」

いや、思われるでしょ。
というか、助産院では生まれた瞬間から赤ちゃんが主役なのだから、その晩、あなたのチュビファースト姿で話題をかっさらうのはやめて。もうチュビファーストやめよう。

だとか

代替療法をしている機関を訪ねたら、「トイレに何をおいていますか」と我が家の便所に霊的な何かを見出され、その先生とのやりとりを淡々とわたしに話す辰巳天冲殺(現実主義者) の夫。
ミニマルな我が家のトイレには、生理用品とトイレットペーパーくらいしかない。二人でそっと身を引いたことも。





夫は自分の半身のような感覚があるんだ。

いつも何かを塗っていて、いつもどこかを掻いている夫。

そんな姿を見るたびに、イライラしたり傷付いたり、心に薄いモヤのようなものが5年間ずっとあった。


本人はあっけらかんとしているのにね。


自家感作性皮膚炎

状態は、この夏になってものすごく悪化しているように見えた。

陰陽五行説を学んでいるわたしは五行説の相生相剋をつかいいろんな仮説を立て、まずは彼に「水泳」を勧めた。彼は素直に水泳を始めた。そしてわたしは食事に五行説を取り入れた。

帯状疱疹の菌がずっと残存しているのではいか。と勘ぐって殺菌系の精油クリームも作った。(効かなかったが、わたしのケロイドはこのクリームで消滅した。) 食材は極力、無農薬のものにして、あるルールに基づいてご飯をつくった。




疑問があった。夫の皮膚の状態はわたしが知っている アトピー像 と一致しない。

一般的にアトピーというと 皮膚が紅くて ガサガサで カサブタができたりしているイメージ。

けれど夫はそうではない。
ポツ ポツ ポツ、と斑点状にと散らばっていて 擦り傷のような斑点や、アザのようなもの、血がでているところまである。見ていて胸がえぐられる。



「本当にアトピーなのか、もう一回聞いてきて!」


「ただいま。アトピーだって。でも膿んでいるから抗生物質を処方するって。あとステロイド内服薬も…」


はあ..。



もうサジを投げてしまいたい。小サジは何度か投げてきた。

皮膚炎というものは体の表にでているので、成果が目に映る。
皮膚に全てを却下され続け「ステロイド内服薬」というパワーワードに わたしは体育座りをして泣いた。


「…….これ、植物のアレルギーなんじゃないかと思うんだよな。」と蕎麦アレルギーでもある夫が なぐさめをくれた。


「じゃあ、いまはブタクサだよ。」とわたし。


最新の悪者をブタクサに仮置きして


「一度、血液検査してみるのは?」と、近隣の、目にもくれていなかったアレルギー皮膚科をググって教えた。

夫のみならず、息子もアトピーで さんざん近隣から遠方まで皮膚科を回ってきたが、なぜかこの皮膚科だけはスルーしていた。



診察を終えた夫、



「アトピーじゃなくて «自家感作性皮膚炎» だって」




what ???????


はじめて聞いた。即ググる。症状の説明と、患者さんの写真は「夫の写真ですか?」というほどその状態と全く一緒だった。


これっすわ。


まず体のどこかに、虫刺されや何らかの原因で発疹ができます。これを原発巣と呼びます。そしてその発疹を掻くなどして、離れた場所に新しい発疹ができます。この新しい発疹が、自家感作性皮膚炎です。

武蔵小杉皮ふ科 https://m-kosugihifuka.com/self_sensitizing/




世界が変わったように感じた。5年間の薄いモヤが霧散。
病名がついただけで、これほど解きほぐされるとは。
嬉しくてウェルシアでハーゲンダッツを3つ買った。夫とわたしと息子の分。

算命学について」という項目にも書いたように、名前がない 得体の知れないものは 怖いのです。だから人は知性をもって 有耶無耶な事象に、名前をつけ定義し分類をしてきたんだ。

「ここをメインのお医者さんにしようと思うよ。」と めずらしく夫主体の方針を聞くことができた。
数年通った、自宅から車で40分の皮膚科をやめて 新しいお医者さんのもと新しい治療法を開始する。
わたしはこのお医者さんに家族でお世話になっていたので、寂しい。



律音、リスタート


わたしは算命学のスチューデントだ。


体育座りをした日、このアトピーは一体いつまで続くのやら何か兆しはあるのか、2021年の月干支と 夫の命式を照合した。
自分の月運は「ふーん」とみるけれど、配偶者の月運は普段使いしない。
藁にもすがりたい気持ちだった。


夫の日干支は戊戌

月運において 10月「戊戌」がきていて 西方律音 が成立する。
後天運の律音(りっちん)とは、命式に表れる3種の干支いずれかと同じ干支が巡ってくる時間帯のこと。
干支は60干支でひと回りするから、月運の西方律音は 60ヶ月に1ヶ月のリズムでやってくる。


律音とは、命式内の干支がスタートで、1周を経て、符号としては元にもどった地点でありながら、全く同じではない。1周の行程の内に、経験や成長があるのだから。螺旋が上に登るように一周まわって階層が異なる。

新しい自分が始まる、リ・スタートの地点

教科書的には「分岐点」「変化」とある。



Gacktと律音
いま、活動無期限休止で話題の Gacktさんも2021年は年運で西方律音になっている。西方は、プライベートや結果・家庭を意味する場所だから そこに於いて、リスタート。これまで違う生き方、、、過去を捨てるという意味合いがでてくる。+ Gacktさんは来年で大運天冲殺を抜ける。運命には通常可動域があって、そのリミットが外れていた大運天冲殺。それが終結をむかえるときの揺れはデカい。今、超絶不安定だと思う。そして次の大運は東方「律音」。東方は公、仕事の場所であるから、今までの 私たちが知っている Gackt 様 はもう見れないのかもしれない。



夫の話に戻そう。

来月10月が律音だと知ったけれど「そんなに早く変化が起こるわけがない。その芽すら、ない。」と到底希望がもてるものでもなかった。あったとしても、皮膚ではなく別のことで何かが転換されるのかな、と思ったり。

ましてや「律音だからそれらしいことを仕組もう♪」など、せっかくの福袋の中身を自分で限定することは したくない。(だから後天運は見て見ぬ振りをしている)

それが 思いも寄らないかたちで、

アトピーという5年に渡る 固定観念とおさらばすることになり
来月からは 新しいお医者さんのもとで治療をする。



余談だが2018年は戊戌の年で夫は西方律音、その年、お腹の中に子どもがやってきた。

2019年は己亥で私は西方比和。
比和も「人生の区切り・変わり目」という意味合いがある。その年の立春の日、息子が生まれわたしは人生で全く新しいカラーの中で生きることになる。



なんだか 身を以て「律音」なるものを知った気がして
ハーゲンダッツを食べてからブログをうっている深夜なのだった。



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